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詐欺的映画「主戦場」で情宣し日本民族を陥れ貶すNHK


慰安婦問題テーマの映画「主戦場」最終日に上映(川崎の映画祭
 川崎市で開催された映画祭で、一度は上映中止となった慰安婦問題をテーマにした映画が批判や上映を求める声を受け、最終日の4日、上映されました。
 川崎市で開かれていた「KAWASAKIしんゆり映画祭」では、慰安婦問題をテーマにした映画「主戦場」について、共催する川崎市が上映差し止めを求める訴訟が起きていることに懸念を示し、主催するNPO法人が会場の安全面などを危惧して上映を中止していました。
 この対応に、表現の自由をめぐる批判や上映を求める声が相次ぎ、主催するNPO法人は一転、最終日の4日上映することを明らかにしていました。
 4日夜の上映会には、抽せんで選ばれたおよそ90人が参加し、はじめに「主戦場」のミキ・デザキ監督が登壇して、「映画祭や映画館が圧力に負けず伝え続けることが大事だ。表現の自由のために一緒に戦ってくれた人に感謝したい」と英語で話しました。
 観客からは、「見られてよかった」とか「上映すべき内容だった」といった声が聞かれました。
 一方、上映を表明後、抗議の電話やメールが数十件あったということで、会場では手荷物検査が行われ、急きょ募集された20人ほどのボランティアスタッフが警備などを行ったほか、警察官が警戒しましたが、特に混乱はなく映画祭は閉幕しました。
 主催するNPO法人は、一連の対応について有識者の声も聞きながら検証し、今後の糧にしていきたいと話しています。
観客「見ることができよかった」
 「主戦場」を観た川崎市に住む59歳の女性は「表現の自由とか難しいことはよく分からないけれど実際に作品を見たら上映するべきだと思ったし、いろんな意見を黙らせないことは大切だと思いました」と話していました。
 また、66歳の市民の男性は「上映されなければ内容が分からないままだったので見ることができてよかったです。上映そのものが規制されるのはやはりおかしいと思います」と話していました。
主催者「将来の糧に」  映画祭を主催したNPO法人「KAWASAKIアーツ」の中山周治さんは、「多方面から援助があり上映を実現でき感謝している。映画祭の運営はボランティアスタッフが中心で、素人集団なりにベストの答えを出してきたつもりだったが、上映中止にここまで反響が来るとは予想していなかった」と振り返りました。
 そのうえで、「われわれのような小さな団体が表現の自由という世界規模の問題を引き受けることになり正直、驚きの連続だった。有識者から意見をもらい、今後、検証を行うなどして将来の糧にしていきたい」と話していました。
差し止め訴訟の原告「上映は遺憾だ」
 映画祭の会場には、「主戦場」の出演者の1人で、上映の差し止めなどを求めて訴訟を起こしている「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝さんも訪れ、「上映をめぐり市や映画祭に対して公開質問状を送っているにもかかわらず回答もないまま、上映されることになったのは遺憾だ」などと話していました。
慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月1日  月刊Hanada 2019年8月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
◦連載開始にあたって 日本の保守系論者約十人を、学問研究の名をかたって取材し、「慰安婦=性奴隷」説に立ったプロパガンダ映画「主戦場」のなかで侮辱・論難の材料とした事件は、日本の左翼・リベラル派が犯した前代未聞の大規模な計画的詐欺事件として将来記録されるでしょう。
9月19日には、上映差し止めと損害賠償を求める民事訴訟の第一回口頭弁論が午後2時東京地方裁判所で行われます。それに向けて、より多くの方々にこの事件の真相を知っていただき、慰安婦問題にも最終決着をつける一つの機会としてこの訴訟に勝訴すべく、これから拙文を連載します。
各種媒体にご自由に拡散し、ご利用下さいますようお願いいたします。また、ご意見をお待ちしています。 (藤岡信勝記)
「大学院生」という肩書  今話題の映画「主戦場」の監督ミキ・デザキが、上智大学大学院生として出崎幹根という日本名で、男女二人の院生とともに、東京都文京区水道にある「新しい歴史教科書をつくる会」の事務所に現れたのは、二〇一六年九月九日のことだった。藤岡はこの日に、出崎らの慰安婦問題についてのインタビューを受け、それをビデオに録画することを承諾していたのである。 出崎に同道してきた二人は、岡本明子、オブリー・シリブイ(SilviuOblea)という名前である。ビデオカメラの操作、マイクの音量の調整、インタビューアーを三人で分担していた。三番目の役目はもっぱら出崎が担っていた。出崎の年齢は三十代と推定され、鼻髭を蓄えたやさ男といった風貌の人物だった。
 日本語を流暢に話す百パーセントの日本人で、ハーフっぽい顔立ちの影はどこにも見当たらなかった。だから藤岡は出崎を、アメリカ留学や在住の経験があるだろうが、普通の日本人と思い込んでいた(実際はアメリカ国籍を有する日系二世のアメリカ人だった)。 出崎は、〈アメリカのリベラルなメディアの情報の影響を受けてきたが、慰安婦の強制連行の証拠はなく、慰安婦の待遇も言われているほど酷くはなかったことを知った〉という意味のことを、インタビューの合間に、断片的にしゃべった。態度は紳士的で、藤岡の話に批判的な眼を向けたりすることはなく、かといってなれ合うでもなく、ごく普通の学生のように見えた。
 藤岡は慰安婦問題の起こりから現状まで系統立ててたどり、慰安婦の「強制連行」説はどのように崩壊したか、なぜ慰安婦は「性奴隷」ではなかったといえるのか、「20万人」説がなぜ荒唐無稽な数字なのか、などの論点をわかりやすく、体系的に話した。約束ではインタビューは一時間の予定であったが、実際は一時間半程度の長さになった。出崎の質問のなかに特にユニークな、印象に残るような内容のものはなかった。藤岡は大学の授業のちょうど1コマ分に当たる90分のレクチャーを、無償で上智大学の三人の大学院生を相手に施したことになる。  藤岡がこのインタビューを引き受けたのは、出崎が上智大学の大学院修士課程に在籍する学生であり、修士課程を修了するための修士論文に相当する「卒業制作」として、この映像作品を仕上げて大学に提出するためである、との説明を受けたからである。それが最大の、決定的な要因であった。
 よもや一般の映画館で上映する商業映画の素材として、しかも藤岡を貶める材料として自分の発言が使われるなどとは夢にも思わなかった。藤岡はいかなる意味でも、作品の商業的な公開を許可したことはない。もし、それが商業映画だとわかっていたら、初めからインタビューに応じることはあり得なかった。出崎は契約違反を犯し、平たく言えば嘘をつき、藤岡を騙したのである。 騙されたのは藤岡だけではない。櫻井よしこ、加瀬英明、ケント・ギルバート、杉田水脈、山本優美子、トニー・マラーノ(テキサス親父)、藤木俊一、という錚々たる保守系の論客が出崎の毒牙にかかったのである。総計八名になる。 ジャーナリストの江川紹子はツイッターで、「どういう口車であれだけの人たちを引っ張り出したのか、その手腕はすごいとひたすら敬服。どこかでその手法を語られているのであれば、ぜひ学びたい。皮肉ではなく、本当に」(5月7日発信)と書いた。出崎は八人のそれぞれの特徴を調べて、アプローチの仕方や対応を変えている。以下にやや詳細に述べるのは、その中の「藤岡ケース」にすぎない。ただ、以下の記述が少しでも江川の参考になれば幸いである。
慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (2)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月1日  月刊Hanada 2019年8月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
取材対象者へのアプローチ  まず、出崎はどのようにして藤岡にアプローチしてきたのだろうか。 出崎からインタビューに応じてほしいとの依頼を受けたのは、二〇一六年八月十一日のメールだった。以下、全文を引用する。▽
出崎幹根から藤岡信勝へ(2016.8.11)  《藤岡 信勝 先生 突然のメール失礼致します。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の出崎幹根と申します。六月に中野サンプラザでの『国連が世界に広めた「慰安婦=性奴隷」の嘘』出版記念シンポジウムでお会いし、ご挨拶させていただきました。この度は、慰安婦問題に関して、藤岡先生にインタビューへのご協力をお願いいたしたく、ご連絡させていただきました。 卒業制作として、他の学生と共にビデオドキュメンタリーを製作しておりまして、ドキュメンタリーは「歴史議論の国際化」をテーマとしています。ご承知の通り、現在、慰安婦問題には多くの国々が関わっています。問題に関わっている方々やその活動について学ぶと共に、権威でいらっしゃる藤岡先生のような方からもご見解をお聞かせ願いたく存じております。
 もしドキュメンタリーについて更にお知りになりたい場合は、何なりとお聞きください。インタビューにご協力いただけるようでしたら、仮の質問のリストをお送りします。宜しくお願い致します。      出崎幹根》 意を尽くした立派な日本語の文章である。ただ、藤岡はこのメールにすぐに返事を出すことはしなかった。多忙でもあった。 メールの交信記録を辿っていくと、次に出崎からアプローチがあったのは、八日後の八月十九日だった。この時は「新しい歴史教科書をつくる会」の事務所に藤岡宛のメールが送られてきた。つくる会を経由してのアプローチである。今度は無視することで会のイメージを損ねてはいけないという心理がどこかで働いた。
 つくる会経由の二回目のアプローチがなければ、藤岡のインタビューは実現しなかった。ターゲットとする人物に直接アプローチしてダメな時は組織を経由するとよいということは、営業マンの鉄則のひとつなのかもしれない。出崎の作戦はまんまと成功したことになる。 二回目のメールは、最初のものと文面は同じだった。出崎のメールによれば、藤岡は一度出崎と会っていたことになる。出崎が言及している中野サンプラザでのシンポジウムとは、二〇一六年六月四日に開催した藤岡信勝(編著)『国連が世界に広めた「慰安婦=性奴隷」の嘘』(自由社刊)の出版記念会を指す。この本は、二〇一六年三月ころまでの、世界の国々にまたがる慰安婦問題の経過の整理と運動の総括を兼ねて、なかんずく二〇一四年から始まった、ジュネーブの国連人権理事会や条約にもとづく各種委員会への代表派遣の意義と現状を明らかにするために出版したものであった。
  百人あまりの人が集まった出版記念会の会場では、学生風の三人組の人物がビデオを撮影したりしてごそごそやっているのは気付いていたが、集会が終わってから、女性の立場から慰安婦問題に取り組む「なでしこアクション」の山本優美子代表から紹介を受けていたことを思い出した。 あれは上智の学生だったのか。道理であのとき、山本の出崎らを見る表情に、学生に対する保護者のような好意的な笑みがあった記憶が藤岡の中で甦った。学生たちは山本の大学の後輩にあたるのだ。 藤岡は、「返事が遅れて申し訳ありません。インタビュー、お引き受けします。日程を調整したく存じます。ご希望の日時をお知らせ下さい」という文面のメールを送った。八月二十一日のことだった。 
人を乗せる鉄則に合致   ここまでのところを、小さく総括してみる。藤岡は、メディアの取材で何度も裏切られた苦い経験を持ち、従ってそれなりに警戒心を持っていたはずだが、出崎はどのような仕掛けで藤岡をインタビューに引っ張り出すことに成功したのだろうか。 第一に、そして今回の係争問題の発生において最も重要なポイントは、出崎が大学院生の身分を獲得しており、しかも、インタビューでも真面目そうな学生を演じ切ったことだった。私学の名門・上智大学という名前のブランド力も、人を信用させる重要な要素のひとつだ。ブランド力の利用は、詐欺師の常套手段でもある。
 藤岡が過日観たテレビのワイドショウでは、いわゆる「オレオレ詐欺」の手口として、「NHK静岡放送局の世論調査」を装って被害者にアプローチした事例が取り上げられていた。ここでは「NHK」のブランド力が利用されている。 さらに言えば、複数の学生で行動したのも、ビデオ撮影などの手間が実際に必要だったとはいえ、確かに学生のグループなのだと人を安心させる要素になっている。出崎ひとりが歩き回っている図と比べる思考実験をしてみれば、両者の違いは明らかだ。 第二に、学生といえども、いきなり未知の者からメールや電話をもらったら、信用出来るかどうかを疑い、警戒するのが普通であろう。出崎はその恐れをなくすために、保守派の集会に顔を出し、ターゲットに顔つなぎをしていた。先輩の山本を「ゲイト・パーソン」(民族誌的な研究において使われる専門用語)にしたのも、うまい作戦だ。実社会では、同郷に次いで同門がビジネスのきっかけになることがしばしばある。そして藤岡宛のメールに、話の糸口として「集会でご挨拶した」と書く。 メールの中で、藤岡の編著書のタイトルを正確に書いていることも見上げたものだ。これを抽象的に「出版記念会で」というのと比較してみれば効果は歴然だ。ただし、その本を出崎が読んでいないことだけは間違いない。 第三に、一度無視されたり拒否されたりしても、諦めずに粘り強くルートを変えてアプローチする。藤岡の場合、「つくる会」という組織を経由している。藤岡にとって「つくる会」は大切な組織なので、そこに迷惑がかかってはいけない、という無意識の心理が作用したらしいことはすでに書いた通りだ。  以上の三つが、藤岡の場合の基本的仕掛けなのだが、まとめてみると、人を乗せるための鉄則に合致しているとはいえ、ありきたりで単純なものだ。しかし、それをここまで実行する人はそんなに多くはない。
慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (3)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月1日  月刊Hanada 2019年8月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
衣の下の鎧が見えた  出崎の完璧と見えた作戦も、ほころびを見せた瞬間があった。それはインタビューの収録が終わってから、彼がインタビューの内容に関する権利関係について承諾書を用意して来たのでサインしてほしい、と切り出した時だ。〈今のインタビューは大学院の卒業制作のためであると言ったではないか。こいつは何を言い出すのか〉と藤岡は思った。 藤岡がこのような反応をしたことには伏線があった。それより半年くらい前、ある外国のテレビ局の取材を受けた際に、契約書にサインを求められたのだが、その契約書の中味を見ると、取材者の権利だけを書き込んで、取材される側の権利には何も言及しない「やらずぶったくり」の内容であった。
 契約とは当事者の双方を縛るものであるはずだ。片方の権利だけを一方的に書いた契約書など、契約の名に値しない。そこで、藤岡は取材は受けたが、署名は拒否した。テレビ局というのは誠に傲慢で得手勝手なものである。結局、放送では藤岡の発言は全てボツにされ、別の人物が「軍国主義者」の「悪役」を演じさせられていた。 そんな経験があったので、藤岡は出崎が承諾書を取り出す前に、出崎に対して「そういう類いの契約書にサインすることは私の趣味に合わない」と言って署名を拒否し、チームを追い返した。だから藤岡は、出崎が用意した承諾書なるものの中味を見ていない。 この承諾書の一件は、あとから考えると、衣の下から鎧が透けて見えたようなものである。にもかかわらず、藤岡はその疑念を突きつめることなく、契約社会のアメリカかぶれの青年だから、欧米のテレビ局の悪しき慣習を模倣したのだろう、というくらいに考えていた。それほど、真面目な学生になり切った出崎の演技がうまかったということでもある。
 しかし今では、初めから商業映画をつくって日本の保守派を侮辱し、攻撃しようとした出崎の意図が明白になっている。おそらく、藤岡にサインを拒否されて出崎は計画が頓挫しかねず、大いに困惑したのだろう。取材日の三日後に、次のメールを藤岡に寄越した。以下は原文のままであり、[  ] 内は藤岡による最小限の訂正ないし補足である。▽
出崎から藤岡へ(2016.9.12)  《ドキュメンタリー承諾書の件ですが、私たちの指導教官と話しましたところ、藤岡先生の出演部分がドキュメンタリーを[の][中]核を占めるのであれば(そうなると思います)、やはり承諾書へのサインがなしには、ドキュメンタリーの製作へ着手することが難[し]いという(ルビ=ママ)言われました。 ご提案させて頂きたいのですが承諾書に、以下の一文を加えるのはいかがでしょうか?「製作者は、出演者の姿・声の整合性を保ち、出演者の言葉を謝(ルビ=ママ)り伝える、あるいは、文脈から離れて使用することがないと、同意する」
 また、映画をご覧になって、ご自身が不正確に描写されているとお感じになった場合は、ドキュメンタリーの最後に先生が、本ドキュメンタリーにおける説明に異を唱えていらっしゃると付け加えます。しかし、藤岡先生の出演箇所を全て削除することは、新しいドキュメンタリーを製作しなければならず、修士を期限までに修了するためには、再製作は難しいことをご理解いただきたく存じます。》慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (2) 修士の終了期限に間に合わなくなる、という泣き落とし作戦である。最初のメールに比べると、文章の推敲が不十分で、誤字と文法的な間違いだらけだ。よほど急いで書いたのだろう。今から考えると、ここで「指導教官」という言葉が登場するのは注目に値する。出崎は「指導教官」の指導を絶えず受けながら卒業制作と称する作業に励んでいたのである。だとすれば、出崎の詐欺的行為に「指導教官」も最初からかんでいたことになる。  このメールを受け取ったとき、藤岡は〈出崎の「提案」なるものはあまりに微温的で、取材対象者の権利を守るための役には立たない〉と思った。藤岡はすぐに返答せずに、「十三日から十九日まで、ジュネーブとパリに行ってきます。帰国後、相談しましょう」と返答した(九月十三日)。
慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (4)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月4日  月刊Hanada 2019年8月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
「承諾書」から「合意書」へ  帰国後の九月三十日、出崎からメールが届いた。「先日、[テキサス親父事務局の]藤木俊一さんにインタビューさせていただきまして、その際に新しい合意書を作成致しました。添付をご確認くださいませ。ご覧いただき、こちらでご承諾頂けるかご確認頂けますでしょうか?」という文面だった。添付されていたのは別掲の文書(
合意書 )だった。 合 意 書出崎・ノーマン・エム(以下「甲」という)と、藤木俊一(以下「乙」という)は、甲の製作する歴史問題の国際化に関するドキュメンタリー映画(以下「本映画」という)について以下のように合意する。1.甲やその関係者が乙を撮影、収録した映像、写真、音声および、その際に乙が提供した情報や素材の全部、または一部を本映画にて自由に編集して利用することに合意する。
2.乙が甲に伝えた内容は個人の見解であり、第三者の同意を得る必要、または第三者に支払いを行う必要がないことを確認する。3.本映画の著作権は、甲に帰属することを確認する。4.本映画の製作にあたって、使用料、報酬等は発生しないことを確認する。5.甲は、本映画公開前に乙に確認を求め、乙は、速やかに確認する。6.本映画に使用されている乙の発言等が乙の意図するところと異なる場合は、甲は本映画のクレジットに乙が本映画に不服である旨表示する、または、乙の希望する通りの声明を表示する。7.本映画に関連し、第三者からの異議申立て、損害賠償請求、その他の請求がなされた場合も、この責は甲に帰するものであることに同意する。
8.甲は、撮影・収録した映像・写真・音声を、撮影時の文脈から離れて不当に使用した り、他の映画等の作成に使用することがないことに同意する。本書を2通作成し、甲乙ともに本書に署名・捺印致し、それぞれに保管するものとする。 このメールで、藤岡は藤木も出崎のインタビューを受けていたことを初めて知った。この間、ジュネーブへの往復などで藤木とは頻繁に会う機会があったが、どちらからも出崎の取材の話は出なかった。普通、誰の取材を受けたなどとは、特別のことでもない限り他人に話さないものである。ここまでのところは、出崎のインタビューを受けたことの中に、藤岡にとって「特別なこと」は何もなかった。 ただ、藤木の場合も、映像・音声機器の開発・販売の会社を経営し、ビジネスの世界で生きてきたので、出崎の承諾書を見て、藤岡が外国のテレビ局の契約書に感じたと同様の異様な片務性を感じとったに違いない。
 その合意書を読んだ藤岡は、これは比較的よくできていると思った。5・6・8項に、取材対象者の権利がキチンと書き込まれているからだ。藤木は相当注文を付けたに違いない。そこで、合意書の「藤木」を「藤岡」に変えて送るように返信した。 時が流れて約二年後の二〇一八年五月二十一日、出崎は藤岡のインタビューの映像を送ってきた。ところで、それは「クリッピング」だという。全編はいずれ改めて送ってくるのだろうと藤岡は思った。自分だけの映像なら見る必要もない。それが映画の全体の中にいかに組み込まれているのかが重要だ。 例えば、藤岡の発言の前に、「『歴史修正主義者』の藤岡はこう語る」というナレーションを入れて藤岡の映像を入れても、クリッピングを見ただけではその処理はチェックできない道理だ。そして、これは実際に起こったことなのだ。 後で分かったことだが、藤岡がサインした合意書は、確かに藤木が全体的に手を入れたものだった。出崎のつくった「承諾書」という文書名を「合意書」と変更し、「甲・乙」で表記する形式にしたのも藤木の修正だった。何よりも重要なのは、「承諾書」にあった次の一項が「合意書」にはないことだ。
 《5 製作者またはその指定する者が、日本国内外において永久的に本映画を配給・上映または展示・公共に送信し、または、本映画の複製物(ビデオ、DVD、または既に知られているその他の媒体またはその後開発される媒体など)を販売・貸与すること》
 これほど詳細かつ具体的に、制作者側のやりたい放題の権利を書き込むとは、ずうずうしいにもほどがある。「合意書」でこの5項が拒否され、明確に否定されたことは、今配給会社を通して上映されているような事態を「合意書」が認めていないことを意味する。  それだけではない。「合意書」には
 《8 甲は、撮影・収録した映像・写真・音声を、撮影時の文脈から離れて不当に使用したり、他の映画等の作成に使用することがないことに同意する》 と書かれている。出崎のその後の行動は、この規定を破っていることが明白だ。この点に関して、二つの重大な事実を指摘したい。
慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (5)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月3日  月刊Hanada 2019年8月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
的外れな論評  第一に、出崎は藤岡の映像・音声を、「
撮影時の文脈から離れて不当に使用 」した。藤岡は映画「主戦場」の中で、「国家は謝罪してはいけない。国家は謝罪しないというのは基本命題だ。国家は、仮にそれが事実であったとしても、謝罪したらその時点で終わりなんです」と発言している。これをドキュメンタリー制作者の大島新は、「あまりにもあけすけで、無防備な発言」と評している(文春オンライン、六月十一日)。しかし、それは全くの的外れである。この発言は、口にすることがはばかられるような性格のものではない。 藤岡はこの発言を、アメリカを念頭において行った。アメリカは第二次世界大戦末期に、日本に原爆を投下して多数の無辜の人々を殺害するという、大戦中でも最大・最悪の戦時国際法違反を犯した。これはまぎれもない事実だが、これについてアメリカは、日本に一度も謝罪していない。オバマ前大統領が広島に来たのは、生きのこりの男性被爆者の肩を抱いて共感の意を表現しただけで、国家として謝罪したのではない。アメリカだけではなく、かつて植民地を持っていたヨーロッパの国で、旧植民地国に謝罪した例はない。藤岡は事実を述べただけである。
 これは事実であるだけでなく、国家間のあり方の原則だ。かつて戦争をした国同士でも、いったん講和条約を結んで戦争に終止符を打った後には、戦争中の出来事について相手国に謝罪したり、謝罪を求めたりしないのが国家間のルールである。日本だけがいつまでも謝罪を求められ、かつ謝罪しているのは、日本が完全に独立した国家ではないことの現れである。 さて、映画「主戦場」では、藤岡の発言の直後に、レーガン大統領が第二次世界大戦中に強制キャンプに入れられた日系アメリカ人に一律二万ドルの補償をした上で謝罪する映像を、これ見よがしに流した。「ほら、アメリカという国家もこのように謝罪しているではないか」と言いたいのだ。藤岡は事実に反する嘘をついている、というのが映画が藤岡に加えた非難である。
 だが、これほど愚かな話はない。「国家は謝罪しない」という命題は、国と国との間、国家間の関係について述べたものであって、一つの国家の中での政府と国民の間の関係について述べたものではない。レーガン大統領が謝罪した相手は、強制キャンプで辛酸をなめた日系人であり、彼らはれっきとしたアメリカ国民だったのだ。
発言の文脈を無視  国家は国民の間で差別的処遇をしてはならないというのは、近代国民国家の存立の基礎であり、国家の大原則である。だからレーガンは、この件について犠牲者に謝ったのだ。これは政府(国家)と国民の間の関係である。日本だって、公害で敗訴すれば国家は謝罪することがあるし、最近の例ではハンセン病の患者のかつての処遇について安倍首相が謝罪したが、これは国家間ではなく国家と国民の間の関係であるから、誰も原理的には問題視しない。 全ての単語は、それが発せられる場の文脈のなかで意味をもつ。文脈を無視して単語の意味を確定しようとすることは、日常の会話においてさえ不可能である。慰安婦問題とは国際問題だと、出崎自身がメールでも文書でも繰り返し述べているではないか。合意書にすら、卒業制作のテーマを「歴史問題の国際化」だと出崎は書いているではないか。慰安婦の半数は日本人で、朝鮮半島の出身者よりもはるかに多かったのだが、元日本人慰安婦で国家を訴えたケースは存在しない。これだけでも、韓国人慰安婦の証言の信憑性を疑うに十分な事実である。
 「国家は謝罪しない」という命題が語られる文脈とは、国際関係を論じている場の話であり、国家と国民の間の国内問題は視野に入っていない。映画のつくりは、原理的に異なる二つの文脈を混同し、映画制作者の無知をさらけ出したのだ。 ジャーナリストの江川昭子も、「国家が過去を謝罪する問題について、米国の戦時中の日系人強制収容問題という国内問題を対比させて、日本を批判するのはアンフェアの一例」(五月七日発信)とツイッターに書いた。何も特別なことではなく、常識のある人ならだれでも気付くことなのだ。 右のような混同を犯すとは、制作者には社会科学の基本的な概念すらないことの表れである。この誤りは致命的で、藤岡が指導教官ならこれだけで落第点を出す。出崎の指導教官はどうしてこれを合格させたのか、上智の教育のレベルは一体どうなっているのか、心配である。
慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (6)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月3日  月刊Hanada 2019年8月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝 第二に、出崎は「卒業制作」として大学に提出した映像を、商業目的で配給する映画に転用したが、これは「
他の映画等の作成に使用することがないこと」 という「合意書」8項の禁止条項に明確に違反する。多くの人は錯覚しているかもしれないが、商業的に公開されている映画「主戦場」は、私たちが合意した「卒業制作」とは別のものである。
使用禁止条項を蹂躙  まず、タイトルからして違う。合意書には、「歴史問題の国際化に関するドキュメンタリー映画」とわざわざ下線まで施して書かれている。この映画に登場することを藤岡らは承諾したが、商業映画「主戦場」に出演するつもりはなかった。 両者は制作主体からして違う。卒業制作は、もちろん制作主体は出崎だが、映画「主戦場」の著作権は、劇場で七百円で売っている公式プログラム(28ページ建ての冊子)には、「C(〇で囲む)NOMAN PRODUCTIONS LLC」と書いてある。LLCは、日本語で言えば有限(合同)会社である。
 つまり、映画「主戦場」は、「ノーマン・プロダクションズ」という会社が制作し、同社が著作権を有しているのである。この会社の作品に藤岡たちの映像を使うためには、藤岡たちはノーマン・プロダクションズ社と契約を結んでいなければならないが、そんな契約はどこにもない。結局、出崎は「合意書」の禁止条項を蹂躙して、卒業制作とは異なる「他の映画」の作成に無断転用したのである。 一体全体、大学に提出した制作物を、研究対象者・研究協力者に無断で商業利用するなどということがあり得るのだろうか。こんなことを認めているらしい上智大学とはいかなる大学か。「指導教官」は誰で、何をしていたのか。こんな疑問がすぐに浮かぶ。 そこで、今回被害者となった藤岡、藤木、山本の三名(順序は五十音順)は四月二十七日付けで、インタビューに訪れた三人の大学院生の在学期間や、指導教官は誰か、などを問い合わせた。これに対して、五月九日に上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の委員長(David Wank)から回答があった。大学院生本人の許可がなければ教えられないという返答であった。その後、指導教官の氏名だけは、全く別のルートから判明した。ご本人が公の場で名乗ったからだ。  四月十九日、参議院の議員会館一階講堂で、「戦争をさせない一〇〇〇人委員会」と「立憲フォーラム」という団体の主催で、「安倍政治を終わらせよう! 4・19院内集会」という会合が開かれた。この集会で上智大学教授の中野晃一は、「政治を変える! プログレッシブ連合へ」と題して講演をおこなった。この模様はYouTubeでネットに流されたので、誰もが見ることができる。
「主戦場」指導教官・中野晃一上智大学教授の責任(1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月6日  月刊Hanada2019年9月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
被害者七名の「共同声明」   日系二世で、アメリカ国籍を有するノーマン・ミキ・デザキ(NormanMiki Dezaki/日本名・出崎幹根)が、上智大学の大学院生の肩書きをフルに利用した詐欺的な手口で、「慰安婦=性奴隷説」を否定する保守系論者を人格攻撃するドキュメンタリー映画「主戦場」を製作したことを前号で述べた。 被害者八名のうちの七名は見解を「共同声明」としてまとめ、去る五月三十日、日本記者クラブで開催した記者会見にて公表した。なお、藤岡のもとにデザキは「出崎幹根」という日本名を名乗って現れたので、以下では、原則としてその日本名を用いることにする。
 共同声明のメイン・タイトルは「映画『主戦場』の上映差し止めを求める」で、サブタイトルは「上智大学修士課程卒業制作を擬装し商業映画を制作した出崎幹根の違法行為について」となっている。署名者は、加瀬英明、ケント・ギルバート、櫻井よしこ、藤岡信勝、藤木俊一、トニー・マラーノ、山本優美子である。 A4判十ページの共同声明の小見出しは、次の通りである。 (1)商業映画への「出演」は承諾していない (2)「大学に提出する学術研究」だから協力した (3)合意書の義務を履行せず (4)本質はグロテスクなプロパガンダ映画 (5)ディベートの原則を完全に逸脱 (6)目的は保守系論者の人格攻撃 (7)デザキと関係者の責任を問う これによって、おおよその内容を覗うことが出来るだろう(共同声明のテキストの全文は、ネット上で読むことが出来る)。  なお、共同声明に署名しなかった一人は衆議院議員の杉田水脈で、杉田の場合、仮に不本意な映像を撮られたとしても、国会議員として肖像権の主張には一定の制約があることから、他の七名の民間人とは立場が異なるという事情によるものだった。
出崎と配給会社を提訴  タイトルが示す通り、共同声明の趣旨は、映画「主戦場」の「監督」である出崎(当時は上智大学大学院生)の、真の目的を隠した詐欺的な取材方法と、映画の中で被害者らに対し「歴史修正主義者」などの不当なレッテルを貼るなど、被害者らの人格を侮辱したことを問題としたもの。 これに対して出崎は、映画の配給会社である合同会社東風(代表社員・木下繁貴)と、弁護士・岩井信とともに、六月三日、東京弁護士会館で記者会見を開き、被害者側の共同声明に反論するとともに、上映差し止め要求に対して明確な拒否回答を行った。
 こうしたことから、被害者側は受けた被害の深刻さに鑑み、六月十九日、東京地裁に民事訴訟を提起する訴状を提出し、その後、地裁内の司法記者クラブにて記者会見を開いた。 原告は共同声明に署名した七名のうち、ケント・ギルバート、トニー・マラーノ、藤岡信勝、藤木俊一、山本優美子の五名で、櫻井よしこ、加瀬英明は諸般の事情で原告には加わらなかった。被告はノーマン・ミキ・デザキ(出崎幹根)と合同会社東風で、請求は、 ①ドキュメンタリー映画「主戦場」を上映してはならない ②被告らは連帯して、原告ケント・ギルバートと同トニー・マラーノに対して、それぞれ五〇〇万円を支払え ③被告らは連帯して、原告藤岡信勝、同藤木俊一、同山本優美子に対して、それぞれ一〇〇万円を支払え ④訴訟費用は被告らの負担とする ⑤右の①から④につき仮執行宣言を求めるというものである。  請求原因の理由は、(1)被告が原告トニー・マラーノのYouTube動画を本件映画において無断で使用したことは、原告マラーノ、同藤木(藤木はマラーノの動画を日本向けに編集する「テキサス親父日本事務局」の事務局長で、マラーノの動画の共同著作権保持者)の著作権を侵害する不法行為であること(2)原告らは意図に反して本件映画に「出演」させられているが、そのことによって原告らにも著作権が生じ、原告らは被告の学術研究及び卒業制作のためにインタビューを受けることに合意していたにもかかわらず、被告が原告らに無断で不特定多数に商業的に公開する映画に使用したことは、承諾書・合意書で定めた義務に反する違法行為であり、かつ、原告らの著作権、肖像権、同一性保持権を侵害する不法行為でもあることなどである。
「主戦場」指導教官・中野晃一上智大学教授の責任(2)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月6日  月刊Hanada2019年9月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
決着がついた慰安婦論争   出崎は映画「主戦場」の監督として、今や「慰安婦=性奴隷」派からは、慰安婦問題復活の救世主であるかのようにもてはやされている。ネットでも紙媒体でも、「映画に感動した」「出崎監督は素晴らしい人だ」「この映画を観て、やっと溜飲を下げた」などの熱烈なラブコールがあがっている。ツイッターなどでの称賛の文言があまりにワンパタンなので、多数の人間に指示し組織的に投稿させているという見方も生まれているほどだ。 ようするに、今や出崎は慰安婦問題の逆転を狙う勢力の期待を一身に集めた、「慰安婦=性奴隷」派の寵児となっているのだ。
 なるほど、出崎に対し、それらの賛辞を浴びせている人々の気持ちも分からないではない。慰安婦問題については、これが日本社会の政治的・社会的問題として提起された一九九一年以来、幾多の論争が積み重ねられてきた。 その中で早くも一九九二年には、歴史家の秦郁彦が、韓国・済州島の現地調査によって詐話師・吉田清治の「慰安婦奴隷狩り」体験記の嘘を暴いた。また、朝鮮半島現代史の研究者・西岡力は、元慰安婦を自称する韓国人老女へのインタビューなど徹底的な調査によって、元慰安婦の誰一人として軍や官憲による「強制連行」の事実を整合的に証言できた者がいないことを立証した。 こうして、一九九二年段階ですでに、「慰安婦強制連行説」が虚構であることは、学問的・実証的には結論が出ていたのであった。
 さらに、同時期の日本政府の調査によっても、一九四四年十月のビルマにおける日本軍慰安所と慰安婦に関する米陸軍心理作戦班の作成した公文書によって、「彼女らは軍に付いて歩く売春婦に過ぎない」ことが明らかにされていた。 さらにさらに、今では「慰安婦=性奴隷説」を唱え続けるほとんど唯一の歴史研究者と言っていい吉見義明だが、一九九六年十一月三十日に放映されたテレビ朝日の番組「朝まで生テレビ!」で、他ならぬその吉見が「朝鮮半島では強制連行の証拠はない」と言い放ったのである。これで、慰安婦論争は事実上、「ジ・エンド」となったのだ。 「強制連行はなかった」という仮説をもって調査する者は、強制連行の証拠を探すに際してそれほどの熱意を持てないのが人情だが、吉見はその正反対で、相当の執念をもって慰安婦強制連行の証拠を探したはずだ。その吉見ですら見付けることができなかったのだから、他の者については何をかいわんや、強制連行の証拠を発見する見込みはない。
「四つの自由」論の愚劣   慰安婦強制連行説が頓挫すると、どうしても慰安婦問題をネタに日本を糾弾したい者たちは、二つのコースに分かれることになった。というか、論理的に考えて二つの道しかないのである。一つのコースは、あくまで事実の世界にとどまって、証拠を朝鮮半島の外に探し、証拠らしきものを「製造」することだ。 実際にこの道をたどったのが、インドネシアを初めとする東南アジアの各地に出かけていった弁護士や活動家の一群である。
 もう一つのコースは、強制連行の話は諦める代わりに、言葉の定義を変えることだ。いわば、事実の世界から逃避して、概念いじりをすることによって自分たちの日本国家糾弾の正当性を維持しようとするものである。この道を行ったのが吉見義明だった。 彼は、軍慰安婦の境遇が「性奴隷」であったということを強調し、「奴隷」の概念を恣意的に変えてしまおうとする。吉見の提唱する「四つの自由」論は、こういう問題意識から吉見がこしらえ上げたものだった。 吉見のいう四つの自由とは、居住の自由、外出の自由、接客の自由(=接客拒否の自由)、廃業の自由を指す。吉見によれば、この四つの自由がない者は「奴隷」であると定義される。それゆえ、日本軍の慰安所は「性奴隷制度」であったとする。 もしそうだとすると、遠洋航海に出る漁師は、吉見の定義によって「奴隷」となる。遠洋航海では何ヶ月も船に乗ったきりだから、居住の自由などあるはずがない。外出の自由も、廃業の自由もない。 ただし吉見の定義では、四つの自由の全てが失われていなければ奴隷とは言えないのか、それとも一つでも失われていれば奴隷になるのか判然としない。それによって、戦地の軍慰安婦の位置づけがまるで変わってくる。 もし、四つとも自由が失われていることが条件ならば、軍慰安婦は断じて奴隷ではない。前出の米軍の公文書によれば、ビルマのミートキーナの慰安所にいた慰安婦には、外出の自由も、接客の自由も、廃業の自由もあったからだ。ただし、居住の自由はなかった。戦地だからこそ慰安婦に自由に住居を選ばせたら危険この上もなかっただろう。
 こんなことは、愚にもつかない言葉の遊びに過ぎない。こんな「理論」を大真面目に振り回して、「慰安婦=性奴隷説」を喜ぶ読者にリップ・サービスしているのが吉見義明の実像である。 吉見は映画「主戦場」のなかで、唯一「歴史家」の肩書きで遇され、出崎は吉見のご託宣を押し抱き、その言葉の一言一句が真理であるかのように扱われているが、その理論の実体は、右のような愚かなシロモノである。
「主戦場」指導教官・中野晃一上智大学教授の責任(3)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月6日  月刊Hanada2019年9月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
◦なぜ反日左翼の寵児なのか   ところで、行動的な学者でもある吉見は、「慰安婦=性奴隷」説をひっさげて、異論を唱える人を狙い撃ちにする名誉毀損訴訟を行ってきた。しかし吉見の提訴は、一審から三審までの全てで敗北した。元朝日新聞記者の植村隆が櫻井よしこと文藝春秋を訴えた訴訟でも、去る二〇一八年十一月九日、一審の札幌地裁で櫻井側の完全勝訴の判決が出たばかりである。その他、一連の慰安婦訴訟では、「性奴隷」派は連戦連敗である。 司法分野だけではない。二〇一六年二月、ジュネーブの国連人権理事会で、外務省の担当者は、「強制連行説」も「性奴隷説」も「慰安婦二〇万人説」も、いずれも根拠がないとして否定したのである。行政が初めて真っ当なスタンスンに立ち返った瞬間だった。
 その二年前の二〇一四年八月には、崩壊した吉田清治の証言の扱いについて頬被りを決め込んできた朝日新聞までもが、ついにその誤りを認め、のちに謝罪するにいたったのである。これはまさに、慰安婦問題で日本を糾弾したい勢力にとって、致命的な打撃となる出来事だった。 このように、論争に負け続けて気息奄々だった「慰安婦=性奴隷」派にとって、出崎のドキュメンタリー映画の出現は干天の慈雨であり、出崎は彼らの希望の星となった。 最近、映画「主戦場」に関わる記事を特集した月刊誌『創』八月号では、「メディアが慰安婦問題をタブーにしてきた」などとしきりに述べられているが、この論評は的外れである。メディアが慰安婦問題を取り上げなくなったのは、右に見たように、もし取り上げると朝日新聞の二の舞になりかねないからだ。
  だから、右の展開を体験していない、アメリカ国籍の外国人でもある出崎が反日左翼の寵児となったのである。しかし、映画「主戦場」が実質的に何を成し遂げたのかといえば、善意の保守系の言論人を誑かして血祭りに上げたことである。 映画「主戦場」のインターネットのサイトには、映画の予告編がアップされているが、そこで前面に押し出されているのは、櫻井よしこを筆頭に、ほとんど専ら保守側の人物である。これらの人々は、出崎の映画の宣伝の出汁にいいだけ使われていることがわかる。 映画の入場者の多くを占めるであろう左翼・リベラル系の人々や、海外の反日ジャーナリストは、映画の中でにっくき保守系の連中が嘲笑・侮辱されていることに快哉を叫んだ。四月四日、外国特派員協会における試写会に出席した、原告の一人である藤木俊一は、試写会の様子を次のようにレポートしている。
  「このフィルムは、われわれに先にインタビューし、それに対して左翼が反論を行っているので、完全に『一方通行』の内容となっており、各段階で(強制か否か、高給取りだったか否かなど)左翼・朝鮮人たちが、われわれ側の発言を覆した部分で終わっており、その度に会場の白人たちが大歓声を上げるという異様な雰囲気の試写会であった」 その反面、この映画が何か新しい材料を提供したり、何らかの論点を解明したりしたかといえば、そうした成果は何一つない。 例えば「慰安婦二〇万人説」の検討にしても、吉見は仮定の数字をいろいろこねくり回しているが結論は曖昧のままであり、そこで上げた数字は多数の仮定の積み重ねの上に立って、数万人のオーダーのものであり、その発言の中に二〇万人説を正当化するに足るものは何もなかった。 この点に関連して、ここで重要な論点を提示しておきたい。六月三日の記者会見で、会場から「歴史修正主義者」の定義を聞かれた出崎は、「慰安婦は二〇万人で、強制連行され、性奴隷であったというのが世界の通説だ。この通説に反対する者は歴史修正主義者である」と答えた。 そうすると、「強制連行」の証拠がないと言い、「二〇万人説」を映画で言わなかった吉見は「歴史修正主義者」になる。それだけではない。監督の出崎も、映画で「二〇万人」という結論を出さなかったのだから、立派な「歴史修正主義者」である。
 その他、映画に登場する多数の左翼活動家も「歴史修正主義者」である。WAM(女たちの戦争と平和資料館)の渡辺美奈などは映画の中で、「大きい数字が出てくると、すぐにそれを言いたくなるが、そうしてはならない」と戒める発言をしている。彼女もまた「歴史修正主義者」である。  出崎がいかに無責任で、物事の論理的帰結に関心を持たない、その場その場でいいかげんなことを言って恥じない、デタラメな人物であるかがよくわかる。
「主戦場」指導教官・中野晃一上智大学教授の責任(4)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月6日  月刊Hanada2019年9月号掲載新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝
第二の「クヒオ大佐」?   出崎の人物像を知る上で欠かせないのは、ユーチューバーとしての過去である。JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)の英語の補助教員として来日し、「Racism in Japan 日本に人種差別はありますか?」という動画をつくって高校生に与えた話はすでによく知られているし、出崎自身が映画の冒頭で使っている。 しかし、日本の国籍を持たず、日本の教員免許を持たない出崎が、このような社会的問題に関わる私見を生徒の前で開陳すること自体、問題である。彼の行動は、JETプログラムの趣旨を汚すものである。
 また、出崎が女装して日本の若い女性の口まねをし、日本人女性を侮辱する動画をつくっていたこともよく知られている。藤岡もこの動画を見たが、最後に卑猥な言葉を絶叫するシーンで終わっていた。 このことについては、本誌六月号でも山岡鉄秀が書いているので繰り返さない。今出崎は、この動画を著作権を理由に消し回っている。各種SNSでも、リンクが貼られている先を見ると、「この動画はMedama Sensei から著作権の侵害を申し立てられていますので、削除します」などのメッセージが出て視聴がブロックされる。Medama Senseiとは、出崎のユーチューバーとしてのペンネームである。 自らトニー・マラーノの動画を商業映画に無断で使用して作者の著作権を侵害しておきながら、自分の動画については著作権を主張して削除を求める。とんでもない御都合主義だ。 ここではさらにもう一つの、別の問題を指摘しておこう。 映画「主戦場」は四月二十日から渋谷の映画館で一般公開されたのだが、その宣伝のため出崎は各種のメディアに登場した。ラジオでもいくつかの番組に出演した。 ①四月二十四日、TBSラジオ「荻上チキ Session22」という番組で、出崎は梁澄子(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表)とともにゲストとして出演した。
 ②四月二十五日、JーWAVE のJAM THEWORLD という番組で、ニューススーパーバイザーの堀潤がインタビューした。 私が聞いたのは右の二つのラジオ放送の録音なのだが、極めて不自然に感じたことがある。出崎が藤岡のところに取材に来た時は、彼はごく普通の日本語を話す青年だった。なぜか、出崎は藤岡に対するメールでは、自分がアメリカ国籍を持つアメリカ人であることを一切述べていなかった。だから、藤岡は彼を普通の日本人だと思い込んでいたのである。 しかし、①のラジオ番組で彼は日本語が出来ないふりをし、わざわざ通訳をつけて番組を進行させていた。ところが質問者が日本語で質問すると、間髪を入れず英語でいきなりベラベラと話し始める。それを通訳が日本語にする。出崎は完璧なバイリンガルである。だから、日本語が分からないというのは演技なのだ。不自然極まりない。
 ②の番組も通訳付きで始まった。ところが、しばらくすると、質問者が右に書いたのと同じ問題に気付いたらしく、いきなり「出崎さん、あなた、日本語が分かるのでしょう?」と言った。不意を突かれて戸惑う様子が聞こえ、出崎は「ええ、まあ、少しは話せますけど・・・」と、いかにも日本語を習いたてのガイジンがしゃべるようなたどたどしい日本語で答えた。それ以後、番組は日本語で会話が進行した。 日本社会には、ときどき日本語と英語の狭間を利用した詐欺師が出現する。生粋の日本人でありながらカタコトの日本語を話す米軍の特殊任務を帯びたパイロットに擬装して、日本人の女性を次々にだました「クヒオ大佐」という結婚詐欺師がいた。   出崎は、気に入らない某出版社の取材を断るのに、自分は日本語ができず、通訳の手配がつかないという理由を使っている。こういう調子で、都合よく英語と日本語を使い分ける。こういう部分だけを取り出せば、出崎は第二の「クヒオ大佐」といえるかも知れない。
「主戦場」指導教官・中野晃一上智大学教授の責任 一括版
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月12日
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公開日  2019年9月12日 作成者 punish-shusenjo カテゴリー 連載
「主戦場」監督への反論文
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月13日
「ニューズウィーク日本版」七月九日号(七月二日発売)藤岡信勝(教育研究者)★8月29日、ケント・ギルバート他5名が、代理人弁護士を通して、上智大学に「通告書」を内容証明郵便で送りました。6月21日、研究上の不正行為を告発する窓口として指定されていた大学の監査室に被害を申し出たにも関わらず、一切無視されてきたので、やむを得ず取った手段でした。
すると上智大学は一転して対応を変え、9月4日、学長名で「調査委員会」を設置したので、学内手続きの必要から委員について異議があれば7日以内に異議申立書を提出せよと求めてきました。わずか1週間の猶予しかありませんでしたが、期限の11日、上智大学研究推進センターに出頭し、事務の担当者にA4・6ページの文書を手交して来ました。調査委員会なるものの実態については、いずれ書くことになるでしょう。(9月12日、藤岡信勝記)
大学院生の卒業制作を名乗り「合意書」にも違反ー議論を呼ぶ慰安婦映画の「出演者」がデザキ監督に反論
本誌「ニューズウィーク日本版」の19年6月25日号に「『主戦場』の新たなる戦場」というタイトルの記事が掲載された。筆者は朴順梨(以下、人名は全て敬称略)で、今後はこの記事を「朴レポート」と呼ぶことにする。
私・藤岡は、自分の意思に反してこのドキュメンタリー映画に「出演」させられている者の一人だが、藤岡のインタビューが入場料1800円で一般の劇場で上映される商業的目的の映画に使われるとは夢にも思わなかった。寝耳に水である。
慰安婦問題の最も大きな論点は、慰安婦は単なる売春婦であったのかそれとも性奴隷だったのかという問題だ。映画は「慰安婦=性奴隷」説に立ち、この説に反対する人物に「歴史修正主義者」などのレッテルを貼っている。
そこで、映画の中でこの種の不当な扱いを受けた櫻井よしこ、ケント・ギルバート、加瀬英明、トニー・マラーノ、藤木俊一、山本優美子、藤岡信勝の7名は連名で共同声明を発表し、5月30日に抗議の記者会見を開いた。
それに対しこの映画の監督ミキ・デザキは私たちの記者会見の同日、同時刻に合わせてYouTubeに反論の動画を流し、さらに6月3日には配給会社「東風」の役員や弁護士と共に対抗する記者会見を開いた。朴レポートはデザキサイドに立って書かれたものである。
本稿では当事者の一人として、この記事に反映されたデザキの主張に対し、2つの論点に絞って反論したい。他の論点については、紙幅の都合で別の機会に譲る。
◦「卒業制作」の触れ込みで
第一の論点は、インタビューが何を目的にしてなされたかという問題である。デザキは藤岡あての最初のメールで、上智大学の大学院生を名乗り、インタビューの目的を次のように書いてきた。
「卒業制作として、他の学生と共にビデオドキュメンタリーを製作しておりまして、ドキュメンタリーは『歴史認識の国際化』をテーマとしています。ご承知の通り、現在、慰安婦問題には多くの国々が関わっています。問題に関わっている方々やその活動について学ぶと共に、権威でいらっしゃる藤岡先生のような方からもご見解をお聞かせ願いたく存じております」
歯の浮くようなお世辞はともかく、かつて大学教員のはしくれであった藤岡も学生を指導していた時には、外部の方々にいろいろお世話になった。だから、大学院生の卒業研究のためなら協力しなければならないと思ったのだ。
山本優美子に対するメールは、もっと詳細にその目的を述べていた。「これは学術研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさなければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはありません」「公正性かつ中立性を守りながら、今回のドキュメンタリーを作成し、卒業プロジェクトとして大学に提出する予定です」
このように、私たちは例外なく、「学術研究」「卒業制作」「卒業プロジェクト」であると説明されて、その前提で協力し、文書にサインしたのである。「出来がよければ、映画祭への出品や一般公開も考えている」と伝えたとデザキは言うが、藤岡は一切聞いていない。
ところが、朴レポートでデザキは、承諾書・合意書には「学術プロジェクトとは一切書かれていない」とシラを切っている。アプローチの段階では、商業映画であることを隠蔽し、映画を公開するときは、それが大学院の卒業制作であることをあくまで隠す。これはデザキの企画が初めから巧妙に仕組まれたものだったことを疑問の余地なく示している。
第二の論点は、デザキの行為が合意書に明白に違反しているという問題である。
藤岡はデザキの研究的な誠実さを一貫して疑わなかったが、一度だけ不審の念を抱いた瞬間があった。それは、インタビューのあとデザキが契約書にサインを求めた時だった。〈大学院修士課程修了に必要な卒業制作であると言っておきながら、人に契約させるとは何事だ〉と藤岡は腹の中で思った。
それで、「そういう契約書にサインすることは趣味に合わない」と言って文書を見ることもせずにサインを拒否し、学生たちを追い返した。藤岡らを騙し商業映画をつくろうと企んでいたデザキは困ったのだろう。指導教官から「承諾書への藤岡のサインなしには卒業制作を続けてはならない」といわれた、修士を期限までに修了できない、と泣き落とし作戦に出た。
それでも藤岡が無視すると、今度は、デザキが藤木俊一と交わした「合意書」を送ってきて、これで何とかサインしてほしいと懇願した。読んで見ると、藤木が全面的に書き換えた「合意書」は、取材される側の権利も書かれていて、よく出来ている。それで藤岡は妥協して、合意書にサインしたのである( 詳細は「月刊Hanada」8月号の拙論を参照 )。
◦明白な「合意書」の違反
デザキによる合意書の違反は、2点ある。順番に説明しよう。
①5項違反
合意書5項には次の規定がある。「甲[デザキ]は、本映画公開前に乙[藤岡]に確認を求め、乙は、速やかに確認する。」
本映画とはデザキの「卒業制作」を指す。それ以外の話は全く出ていなかったのだから、これ以外の解釈はあり得ない。ここで「公開」とは、作品が修士課程の修了を認めるに足る水準の内容であるかどうかをコースの教授陣が審査するために上映することである。紙の論文なら「提出」のみでよいが、ビデオ作品だから上映して「公開」しなければ内容を評価することは出来ない。「公開」には、学内で学生を対象に上映することも含まれる。その公開の「前に」映画を見せる、というのが5項の規定の意味である。
ところが、18年5月21日にデザキから送られてきたのは「映画」ではなく、「映画の中で使用する[藤岡の映像の]クリップ」だった。それでも、藤岡はクリップを見て感想を言うつもりだったが、多忙に紛れて期限の2週間が経ってしまった。その時藤岡は、どうせ映画が送られて来るのだから、その時に自分の映像も見ることができる、と軽く考えていた。
しかし、その後デザキは映画の映像を送ってこなかった。ただ、藤岡はデザキを疑っていなかったから、特に請求して送信を急がせることもせず、そのうちこのことは忘れてしまっていた。もしこの時、映画を見ていたら、「歴史修正主義者」などのレッテル貼りを絶対に見逃したはずがない。当方から請求しなかったからといって、5項の「不作為」がゆるされるものではない。
②8項違反
合意書の8項には、「甲[デザキ]は、撮影・収録した映像・写真・音声を、撮影時の文脈から離れて不当に使用したり、他の映画等の作成に使用することがないことに同意する」と書かれていた。藤岡は、デザキの「卒業制作」には協力したが、商業映画に使用してよいという許可を与えたことは一切ない。藤岡の許可なく、無断で、勝手に藤岡のインタビュー映像等を自分の商業映画に使ったデザキは、「他の映画等の作成に使用することがないことに同意する」という合意書の禁止規定に明白に違反している。これでデザキはアウトなのだ。
映画「主戦場」 大学院生の学術研究の正体は左派のプロパガンダ映画(1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月14日
新しい歴史教科書をつくる会会報誌『史』135号(令和元年7月号)山本 優美子(なでしこアクション代表)去る5月30日、日本プレスセンター会議室にて「映画『主戦場』に抗議する出演者グループ」(加瀬英明、ケント・ギルバート、櫻井よしこ、藤岡信勝、藤木俊一、トニー・マラーノ、山本優美子)の共同声明「映画『主戦場』の上映差し止めを求める-上智大学修士課程卒業制作を擬装し商業映画を制作した出崎幹根の違法行為について-」の発表記者会見を行いました。メディア関係者およそ50名が参加し、立ち見が出るほど。各メディアからは質問が続出しました。
取材を受けた経緯 記者会見から三年前に遡る2016年5月、私は「件名:上智⼤学院の出崎幹根のドキュメンタリーインタビューご協⼒のお願い」というメールを受信しました。メールは丁寧な日本語で、こう書いてありました。「私は日系アメリカ人で、現在上智大学で大学院生をしております。慰安婦問題をリサーチするにつれ、欧米のリベラルなメディアで読む情報よりも、問題は複雑であるということが分かりました。慰安婦の強制に関する証拠が欠落していることや、慰安婦の状況が一部の活動家や専門家が主張するほど悪くはなかったことを知りました。私は欧米メディアの情報を信じていたと認めざるを得ませんが、現在は、疑問を抱いています。大学院生として、私には、インタビューさせて頂く方々を、尊敬と公平さをもって紹介する倫理的義務があります。これは学術研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさなければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはありません。公正性かつ中立性を守りながら、今回のドキュメンタリーを作成し、卒業プロジェクトとして大学に提出する予定です。」
私は卒業プロジェクトに協力することにし、同年6月に東京四谷の上智大学の一室で出崎氏と仲間の大学院生二人から取材を受けました。その後、卒業プロジェクトが完成したという連絡はなく、私は取材のことも忘れていました。
卒業プロジェクトのはずが釜山国際映画祭に それから二年以上たった2018年9月に突然、出崎氏から監督した映画『主戦場』が「10月7日に釜山国際映画祭において公開」というメールが届きました。そして今年2月には「4月20日(土)から東京・渋⾕を⽪切りに、全国で順次公開していきます」というメールが届きました。映画を見ましたが、「学術研究」、「尊敬と公平さをもって紹介する倫理的義務」、「公正性かつ中立性」からかけ離れていることに驚きました。
映画は冒頭で慰安婦の強制連行と性奴隷説を否定する私や保守系の人たちを画面いっぱい大きな文字で「右翼」、「ナショナリスト」、「歴史修正主義者」、「歴史否定主義者」とレッテルを張って進行します。映画の終盤では私たちを「人種差別主義者、性差別主義者、ファシスト」と強く印象付けます。そして最後には慰安婦問題からかけ離れて日本の保守による陰謀論に脱線し、日本の再軍備化の問題にすり替わり、最後のナレーションで出崎氏はこう語ります。「日本にとっての再軍備は、米国が始めた戦争で戦うことを意味する。だから、自らに問うてほしい。本当に私の国の戦争で戦いたいのかと。」この映画は、安倍政権や日本の保守を叩きたい人たちの妄想プロパガンダ映画です。保守が嫌いな一部の人にとっては面白いかもしれませんが、とても学術的ドキュメンタリー映画と言えるものではありません。
映画「主戦場」 大学院生の学術研究の正体は左派のプロパガンダ映画(2)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月14日
新しい歴史教科書をつくる会会報誌『史』135号(令和元年7月号)山本 優美子(なでしこアクション代表)
映画監督は中野晃一教授の教え子 私も他の保守系の出演者も、公正で中立で学術的で偏向してないはずの上智大学院生の卒業プロジェクトに協力したのです。この映画はそうした私たちの好意を裏切るもので、学生が大学の名前を利用してこのような道義に反することをすべきではありません。出崎氏らは上智大学の信用を落とす行為をしたことを自覚しているのでしょうか。出崎氏は中野晃一教授の教え子でした。映画にも出演している中野教授は映画公開の直前、「安倍内閣打倒」を掲げた集会で映画を宣伝しています。講演では、保守系の出演者を右翼、歴史修正主義者と呼び「なかなかこの顔見てるのは苦痛だなっている人たちが出てくるんですけれども、いかに荒唐無稽で馬鹿げたことを言っているのか」と語っています。たとえ思想が違っても、自分の教え子の学究のために取材に応じてくれた人たちに対して非常識、失礼な発言ではないでしょうか。
反撃はこれから この映画は日本語版に加えて、韓国語版、英語版もあり、海外でも上映予定されています。私たちはこれからしっかりと抗議、反論していかなくてはなりません。様々なメディアがこの映画について報じています。中には私たち「映画『主戦場』に抗議する出演者グループ」に批判的な報道もありますが、私たちはブレることなく毅然と行動してまいります。
映画「主戦場」 大学院生の学術研究の正体は左派のプロパガンダ映画・一括版
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月15日
記事
詐欺映画「主戦場」の正体(1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月15日
2019年4月8日(9月14日改題)
テキサス親父日本事務局
藤木 俊一 4月4日に外国人特派員協会(FCCJ)にて行われた慰安婦問題のドキュメンタリー「主戦場」(上映時間2時間2分)の試写会&記者会見に、 私、藤木俊一は、高橋史朗麗澤大学教授らと共に参加した。 会場には約100名ほどの報道陣、その他の参加者が来ており、その半数を少し越えた位が、白人で、残りが日本人という参加者の構成であった。
 この1週間ほど前に、私とケント・ギルバート氏が食事をした際に、 ケント氏が試写会を見て来たとの事で、その感想を「とにかく酷い」 「見るに値しない」などの感想を漏らしていた。
・このフィルム制作の手法  私の見た感想は、米国のいわゆるフェイクニュースの代表であるCNNなどと同じ手法でこのドキュメンタリーが作られているということ。切り取りと歪曲、捏造だらけである。インタビューの一部のみを切り出し、そこを徹底的に反証させるというやり方である。それに、慰安婦問題の核の論争に触っているようで、実際には結論を有耶無耶にして、我々に単に「レッテル貼り」をして貶めるという古典的な手法であった。 例えば、テキサス親父(トニー・マラーノ氏)がインタビューを受けた際に「米国の公文書に、慰安婦たちは日本人の基準でも、白人の基準でも魅力的ではなかった(=不細工という意味」と書いてあったので、米国・グレンデール市の慰安婦像に紙袋を被せた。これは、俺が言ったことではなく、米国の公文書に書いてある事であり、文句があるなら俺ではなく、米国政府に言ってくれ」 と発言した中の「慰安婦は不細工だったので紙袋を被せた」とのみフィルムの中では表現していた。完全に切り取り、捏造である。さらには、テキサス親父がYouTubeに投稿していた慰安婦問題関連の動画2本を許可無く「商業映画」の中で使っている。これは、明らかな著作権侵害である。
 私との2016年9月のやり取りでは、「フィルムが完成したら公開前に私に見せ、意図と違う使い方をされている場合は、フィルムの最後のクレジット部分に、私が主張すること全てを掲載する」と約している。しかし、その2年後の2018年9月に突然、「残念ですが、内容のリークの可能性および著作権の関係で見せられない」とのメールが送られてきた。 他人の著作権は簡単に犯すが、自分の著作権は守るというデザキ氏の異常な姿勢が見て取れる。
 このフィルムには、最初から最後まで、この手法が使われており、我々側から反論がされないように我々のインタビューの順番を意図的に先に持ってきている。 フィルムの初めの段階で、藤岡信勝氏、杉田水脈氏、ケント・ギルバート氏、私、そして、トニー・マラーノ氏の写真をならべ、その上に「リビジョニスト(歴史修正主義者)」、「ディナイアリスト(否定主義者)」と、ちょうど米国などにある「WANTED」という指名手配写真のようにレッテル貼りがなされていた。
 その後にも、「ライト・ウインガー(右翼)」、「コンフォート・ウーマン・ディナイアー(慰安婦否定者)」、「セクシスト(性差別主義者)」などとの一方的なレッテル貼りがフィルムのあちこちで行われており、「学術的な倫理が要求されるので公平に扱う」と我々全員に説明していたデザキ氏は、「学術研究」を語り、明らかな虚偽の説明をしたことになる。
<監督デザキの記者会見での発言から分かった事>  全編の上映の後に制作者のデザキ・ミキネ氏の記者会見があり、ドキュメンタリーそのものからと、デザキ氏自身の記者会見での発言から、次の事が確認できた。
1.スタッフの国籍:  アシスタント・プロデューサーが韓国人である。(デザキ本人の記者会見での発言)
2.インタビューの順序:  「慰安婦は高給取りの売春婦であった」とする我々側のインタビューを先に行い、「慰安婦は性奴隷であった」とする日本の左翼や朝鮮人に見せた上で、それに関して、一方的に反論させるという、全く卑怯な手法を使っていたることがわかった。左翼や朝鮮人側のみに一方的に反論の機会を与え、我々には一切の反論の機会を与えずに、我々の発言を切り取って、意図的に悪用したものに過ぎない。
3.登場人物の比率:   登場する「学者の数」であるが、左翼・朝鮮人側は、吉見義明氏、小林節氏、その他の学者へのインタビューがあったが、こちら側は、藤岡信勝氏のみであった。西岡力氏、秦郁彦氏など、慰安婦問題が起きた1990年初頭から調査を行って来ている学者のインタビューは、藤岡氏を除き一切なかった。  また、全体の出演者の数も、我々側が8人に対し、左翼・朝鮮人側が18人と、一方的であり、完全にバランスを欠いている。(この場合、朴裕河氏は中立と見る)
詐欺映画「主戦場」の正体(2)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月15日
2019年4月8日(9月14日改題)
テキサス親父日本事務局
藤木 俊一
4.加瀬英明氏への批判と諸団体への批判:  「様々な慰安婦関連の歴史修正主義者たち側の団体を調べると、ほとんどの団体の代表が加瀬英明氏である」とのナレーションがあり、(これは事実に反している=捏造)であり、その後に加瀬英明氏にインタビューをしているシーンがあり、その内容は「吉見義明氏の本は読んだことがありますか?」というもので、加瀬氏は「誰それ?」と返答。加瀬史が、吉見氏を知らないはずがないが、デザキ氏の的外れな質問に、意図的に「誰それ?」と返したのは、我々側の人間であれば、明らかである。 「秦郁彦氏の本は?」とも聞かれ、「私は他人が書いた本は読まないから知らない」 と返答し、会場の白人、約10人ほどが、軽蔑したように大声で笑っていた。
 この結果、完全に加瀬英明氏が「ピエロ」に仕立て上げられており、その人が代表を務める多くの団体の信用を一気に崩すという手法が使われていた。誠に狡猾である。
5.虚偽による団体への攻撃:   日本会議、神社本庁、靖國神社などに対する根も葉もない攻撃、安倍首相批判などは、完全に従来の日本の左翼や、支那、朝鮮の主張と同様で、慰安婦問題に無関係な沖縄の基地問題、日本の軍備に関する内容にまで及び、日本叩きを展開。日本会議は、「明治憲法に戻そうとしている」など、根も葉もない事をデザキ氏本人が、ナレーションで語っている。日本会議に照会したが、その様なことはあり得ないとの事。 さらに、日本の首相の靖國参拝に関し、「靖國神社は宗教法人であり、アーリントン墓地は国立であることから、米国大統領が国立アーリントン墓地に行くのとは異なる」との解説が入っていた。
6.目良氏への個人攻撃:   目良浩一氏のサンフランシスコ市議会での発言の後の1人の市議の「Shame onYou!」の連続を殊更に強調し、一方的な印象操作を行っていた。この場面でも、記者会見会場の白人の10名ほどが、目良氏に対して文句を言い、嘲笑する態度をとっていた。
7.自分に対する攻撃へのリベンジ:  デザキ氏は、6年ほど前に当時、少々、ネット上で炎上した「Racism in Japan (日本には人種差別がありますか?)」という動画をYouTubeに投稿していた。デザキ氏は、なぜ、自分が当時、強い非難に晒されたのかをいまだに理解出来ていないようである。 この動画は、今回の「主戦場」同様に、デザキ氏の日本に関する無知から来た炎上だったのだが、本人は、自分の無知を反省するではなく、その動画を非難していた日本人を総じて「右翼」や「歴史修正主義者」と決めつけたのだ。
 当時、デザキ氏は糸満高校でALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー=英語の補助教員)をしており、一部のネットユーザーが、この職場へ抗議の電話等を行ったとデザキ氏は言っていた。 このデザキ氏への抗議に対する「復讐」のために作られたのが、この「主戦場」であることは容易に想像できる。 デザキ氏は、自らを「慰安婦の嘘」をいくつもの記事にした元朝日新聞の植村隆記者とダブらせていたのだ。植村元記者の就職先である北海道の北星学園大学へ、この植村元記者の過去の数々の記事で「日本人の名誉が世界的に傷付けられた」と考えた日本国民が抗議し、結果として解雇された境遇と重ね合わせ、自分も「歴史修正主義者」や「右翼」の「被害者」であるという意識が芽生えてきたようである。
 デザキ氏は、自らが製作した「デザキ氏の無知から来る日本観」、「米国で受けた米国の歴史観」を裏取りもせずに薄弱な知識で作ったYouTubeの動画に対する反省など一切ないどころか、被害者になりすます時点で、慰安婦マフィアたちと同じメンタリティであり、当初から、このフィルムでリベンジ(復讐)を行おうとしていたことが読み取れた。
8.会場に詰めかけた反日白人達のリアクション:  このフィルムは、藤岡信勝氏、杉田水脈氏、ケント・ギルバート氏、トニー・マラーノ氏、櫻井よしこ氏、加瀬英明氏、山本優美子氏、そして私に、先にインタビューをし、それに対して左翼が反論を行っているので、完全に「一方通行」の内容となっており、各場面で(強制か否か、高給取りだったか否かなど)左翼・朝鮮人たちが、我々側の発言を証拠も無しに覆した部分で終わっており、その度に、会場の白人たちが大歓声を上げるという異様な雰囲気の試写会であった。 例えば、「高給取りであった」と、我々サイドの発言があった後に、ミヤンマーでの当時の「インフレ率」を持ち出して、「実際の価値は、額面の1800分の1の価値しかなかったのでリビジョニストがいう事は嘘である」という部分で切られている。そうすると、会場の白人からは歓声と拍手が湧くという具合であった。 しかし、ミヤンマーのインフレ率に関する一次資料などは、一切、示されていない。まさに慰安婦たちの「証拠がない証言」を鵜呑みにする人たちらしい思考回路である。たとえ、そのインフレが事実であったとしても、慰安婦たちは、円貨の「軍票」にて支払われており、それを預金通帳に入れる事もできていたのは、当時の様々な証拠をみれば明らかであり、日本や朝鮮半島に送金するに当たっては、ミヤンマーのインフレなど一切関係ない。デザキ氏は、我々のこのような反論をする機会を意図的に作らなかったのである。 さらに、当時の慰安婦の女性が、「本人名義で通帳を作れていた」という事自体、当時の西洋諸国では考えられない程に、日本の女性の権利が守られていた事に関しては、言及していない。インタビュー時には、この件も、私は話をしたが、その様な場面は全く使われていない。世界の多くの国々では、1960年代、70年代まで女性が銀行口座などを作る場合は、配偶者の許可が必要であったことなど、この無知のデザキ氏には想像も出来なかったのであろう。
詐欺映画「主戦場」の正体(3)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月15日
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テキサス親父日本事務局
藤木 俊一
・この他に非常に問題がある部分A.ノーマン・ミキネ・デザキ(出崎幹根)とは:  このデザキ・ミキネという人物は、約6年前に「語学指導等を行う外国青年招致事業」JET Programme (TheJapan Exchange and Teaching Programme)で来日し、ALR(英語補助教師)として中学校や高校で英語を教えていた。 その間に「Medama Sensei めだませんせい」というYouTubeアカウントで、「Racism in Japan 日本では人種差別がありますか?」というデザキ氏の中途半端な知識で、日本を貶めるための動画を投稿し炎上させたという経歴がある。 これが、完全に偏見に満ちた動画で、人種差別のひとつの例として、「バカチョンカメラ」が上げられている。物事を知らないにも程がある。完全に被害者ビジネスの朝鮮人のこじつけを盲信した結果であろう。
 この結果、デザキ氏が務める学校へ、多くの抗議の電話やファックスが全国から送られたとのこと。これが、元朝日新聞の植村隆氏の慰安婦問題の捏造記事の関して、北星学園大学へ同様のことが行われたこととダブって見えたのだ。
B. デザキ氏の主張:  このデザキ氏への攻撃を行ったとしているのが、日本の「右翼」や「歴史修正主義者」たちで、自分は言論の自由を守るために屈しなかったと本人が言っていた。その後、1年間、タイに行って僧侶になるための修行を行い、僧侶になったとの事。 (たった1年の修行で僧侶になれるのか?)
C. デザキ氏からの私へのアプローチ:   2016年6月に私も執筆者の1人として関わった『国連が世界に広めた「慰安婦=性奴隷」の嘘 ― ジュネーブ国連派遣団報告「慰安婦の真実国民運動」』の出版発表会を中野サンプラザにて開催したのだが、その時にデザキ氏より、「現在、上智大学で研究をしており、卒業研究で慰安婦問題を取りあげたいので、インタビューに協力して欲しい」との申し出があった。テキサス親父(トニー・ マラーノ氏)と、私に対してインタビューしたいとの事であった。
D. デザキ氏の当初の嘘:   あくまで、「卒業研究」であり、学術的な見地が必要なために、公平な立場で取材をするとの事だったので、切り取りや偏向をしないとの事であれば受けても良いと承諾した。学生に「協力して欲しい」と言われれば、よほどの事情が無い限り、善意での協力をする事を見越し、悪用したということである。
E. インタビューの時期:   私は、2016年9月にテキサス親父日本事務局事務所内でインタビューを受け、トニー氏は、2017年1月の来日の際にトニー氏と私で、上智大学に車で出向き、教室内でインタビューを受けた。
F. フィルムの構成:   内容は、切り取りを基にして、我々側の出演者たちを「リビジョニスト」「ディナイアリスト」その他、様々なレッテル貼りをして、嘲笑の対象にするという構成になっている。
G. 日本会議と安倍首相への虚偽による批判:   日本会議に関しても、憶測を基にした事実に完全に反する内容が語られており、日本会議が訴訟を起こしてもおかしくない内容であった。これには、一緒に試写会・記者会見に行った高橋史朗教授もかなりご立腹であった。 実際のフィルムが手に入れば、詳細に分析し、反論と訴訟の両面での反撃が可能であると考えるが、現時点では、試写会のみであるので、非常に難しい。
H. 資金面での疑惑:   アシスタント・プロデューサーが韓国人であること、キックスターター(クラウドファンディング)では、260万円しか集まっていないこと、この260万円(実際には手数料を引くと230万円)で、3年間を制作一本に費やしたこと、釜山の映画祭で最初に上映したことを考えれば、韓国政府や日本基督教団から支援を受けている、挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)(現在の正義連=日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)または、国連慰安婦を性奴隷と言い換えた戸塚悦郎(当時弁護士)がエージェントを務めているとされる中国系の「世界抗日連合」(=世界抗日戦争史実維護連合会)の様な団体が、このデザキ氏の生活や収入を保証したとしてもおかしくはないだろう。
I. 複数のバージョンの存在疑惑:  一部の関係者の情報によれば、釜山の映画祭で上映されたバージョンと日本で公開されたバージョンには、いくつかの部分で異なっているとのこと。これが事実であれば、複数のバージョンが存在していることになる。
J.WAM  このフィルム内で「アクティブ・ミュージアム女たちの戦争と平和資料館(WAM)」の渡辺美奈氏は、「1億円貰っても、性奴隷は性奴隷だと思います」と言っていた。話は、憲法改正にまでおよび、護憲論者の意見が紹介され、さらに最後には憲法改正に反対するという内容で締めくくられており、慰安婦とはかけ離れた内容で、ドキュメンタリーと銘打っているが、単なる反日左翼の「低質なプロパガンダフィルム」であり、ユーチューブに趣味で掲載する程度のとてもドキュメンタリーとは言えない作品である。
K.フィルムの中のデザキ氏本人の発言:  「公正なドキュメンタリー」と銘打ったが、実際には、フィルムの随所でデザキ氏本人のナレーションで、自分の意見を挿入し、聴衆を誘導している。例えば、「改憲して軍隊を持つと戦争になる」と、共産党員同様な意見を述べている。 また、我々側を当て馬に使うことを初めから画策していたという事がわかるのは、我々の出演時間と反対側の出演時間に大きな差がある事を見ても理解出来る。
 我々の主張を永遠と左翼学者や活動家に反論させるというスタイルであるので、当然、左翼側の出演時間が10倍ほどあるのではないかと言うくらいに長い。
L.欧州の日本領事館に関与  デザキ氏が欧州の大学で試写会を行うときに、デザキ氏に対して欧州の領事館が「私に接触をはかってきた」と発言している。国名、大学名、領事館名などは、明らかにされていないが、この問題を日本政府がコントロールし、我々がそれに基づいて動いているとの完全に間違った「印象操作」を行っている。
M.教科書問題に言及  国連等で活動している左翼の活動家が多く取りあげる「日本の歴史教科書」に関する問題に言及している。中学生の歴史教科書に以前は慰安婦問題の記載があったが、ある時期以降、日本政府の圧力により慰安婦問題が教科書から消えた。「日本政府が検閲を行っている」というような左翼独特の「印象操作」がなされている。 また、カリフォルニア州の11年生の教科書に慰安婦問題が追加されることが決定された際に、日本政府がマグロウヒル社に対して抗議を、歴史を歪曲しようとしているという「印象操作」を行っていた。
詐欺映画「主戦場」の正体(4)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月15日
2019年4月8日(9月14日改題)
テキサス親父日本事務局
藤木 俊一
N. 上智大学の中野晃一教授との関係  中野晃一氏は、『平成31年4月14日に【戦争をさせない1000人委員会・立憲フォーラム】 安倍政治を終わらせよう!4.19院内集会』において、次のように話している。「私はこの映画に出ているだけではなくて、私の教え子でして、修士の院生だったんですね。オリジナルカットのものが、あの、修士論文に代わる学位を取るための制作物で、えー、ちょっと変わってるんですよね。こう言うのをやりたいと言って、面白いことを考えるなとですね。それで、こう言う人たちをインタビューしたいと言って、本当にインタビューしちゃって、本当にビックリしたんですけれども、なかなか、こう、あのー、この右翼側を含めて凄いメンバーになっていますので・・・中略・・・元々ユーチューバーで動画を載せていた経験はあるのですけども、そんな彼がですね、作りました。それで、あのー、韓国にも取材に行って、アメリカでも取材をして、英語版、日本語版、韓国語版を作って、えー、釜山の映画祭で、昨年ですね、えー、正式に招待をされて出して、えー、明日から、東京ではイメージフォーラムという渋谷と青山の間くらいですかね、映画館で上映が始まることになっています。 映画の組み立てとしては、いわゆる歴史修正主義者がですね、まっ、その、あのー、色んな事を言っている人たちと、それと、あのー、林先生であるとか、吉見先生であるとか、あるいは、渡辺美奈さんとかですね、まぁ、専門家の方で、色々と調べてこられた方が、次々と出てくる感じなんですけれども、で、まぁ、あの、見た人に自分で判断して下さいと言う仕掛けになっているんですが、まー、正直申し上げて、やっぱり、あのー、あの人達が言っている事を聞いていると、どんどん、自分で墓穴を掘っていると、奇妙な面白味があったりして、なかなか、この顔見てると苦痛だなという人たちが出てくるんですけど、如何に荒唐無稽で馬鹿げたことを言っているのかという、ま、今になって騙されただ何だとか言っているんですけど、全部、自分が喋っている話なんですね。で、自分で話している話で如何に、こう、デタラメなのかと言うのが、色々、こう、見えてくると言うような仕掛けになっていますので、2時間が割とあっという間に過ぎるっていう風に思いますから、是非、近いとこからご覧いただけたらと思います。慰安婦問題は海外では韓国に限らず、人権の問題、女性の権利を侵害した戦時性暴力の重大な問題であるということで理解されていて、そう言う意味で、単なる歴史問題ではなく、今も続く政治問題であり人権問題であるとの理解がされている訳ですが、残念ながら日本においては、ほとんどの人は何も知らない、えー、場合によっては本当にあのー、歴史修正主義で、まぁ、あのー、色んな形で、色んなところでまき散らされている、間違った知識というものが広まっちゃっているというが現実だという風に思いますので、この部分で私達が後を持つということをしていかなければ、なかなかこの先はないかなと言う風に思っています。」
詐欺映画「主戦場」の正体・一括版
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月19日
記事
「主戦場」上映地域情報
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月20日
(2019.9.15現在)
 野々田峰寛(調査)  詐欺映画「主戦場」は、4月20日、東京・渋谷の映画館を皮切りに全国で上映され、この種の作品としては異例のヒットとなった。映画の上映の度ごとに、被害者は映画の中で罵倒・嘲笑されるわけで、抵抗出来ない精神的リンチを受け続けているようなものである。上映地域の広がりは、そのまま、それに比例した人権侵害という被害の広がりである。
 九月中旬現在の日本国内における上映実績は次のとおりである。( )の注記のないものは、すでに上映を終了している地域である。 東京都 渋谷・吉祥寺・東中野(以上、上映中)、田端(上映予定)、池袋▽神奈川県 横浜・厚木▽群馬県 高崎▽栃木県 宇都宮、那須塩原(上映予定)▽茨城県 (場所不明)▽埼玉県 川越▽千葉県 柏▽北海道 苫小牧・函館・帯広、浦河(上映中)▽青森県八戸▽岩手県 盛岡▽山形県 山形▽宮城県(場所不明)▽福島県 福島市▽新潟県 高田▽富山県(場所不明)▽石川県(場所不明)▽愛知県 名古屋(再演予定)▽静岡県 浜松▽長野県 松本・長野・上田▽大阪府 大阪市(2件)▽京都府 京都市▽兵庫県 元町・豊岡・宝塚、宝塚(11月再演決定)▽岡山県(場所不明)▽広島県 横川・尾道▽山口県 山口市(上映予定)▽愛媛県(場所不明)▽香川県(場所不明)▽高知県 高知市▽福岡県 福岡市▽大分県(場所不明)、別府▽佐賀県(場所不明)▽熊本県(場所不明)▽宮崎県 宮崎市▽鹿児島県(場所不明、12月再演)▽沖縄県 石垣、(場所不明)
 日本だけではない。映画「主戦場」には、日本語版、韓国語版、英語版の三つのバージョンがあり(前掲、中野の講演による)、韓国では七月二十五日から上映が始まった。 9月21日には、アメリカ東部のブラウン大学で、「主戦場」の上映会と出崎を交えた討論会が計画されている。今のところはこの種の自主上映会が各地で計画されているだけのようだが、出崎とその支援グループの最終的な目標は、アメリカ全土の商業映画館での上映であることは間違いないと思われる。 ★不正確なところや欠落など、お気づきの方はご教示下さい。
「主戦場」訴訟第1回口頭弁論報告(1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月20日
藤岡信勝9月19日(木)午後2時から、東京地方裁判所第806号法廷で開かれました。きょうから3回にわたってその報告をいたします。廷内は、傍聴席から向かって左側が原告席で、原告の山本優美子、藤岡信勝と代理人弁護士髙池勝彦ほか3人が座りました。右側の被告席には、被告の出崎は欠席で、映画配給会社東風の代表社員・木下繁貴と弁護士岩井信ほか4人が座りました。傍聴席はほぼ満員。大雑把にいうと、原告側が約30人、被告側が約10人という比率でした。どういうわけか、被告側の傍聴者は途中から数人、帰ってしまいました。
2時キッカリに裁判官が入廷。全員起立しました。中央が裁判長で、裁判長の左となりは男性、右となりは女性の陪審裁判官でした。裁判長が口を開き、原告側の訴状と甲(原告側)証拠1~5が出ていること、被告の答弁書と乙(被告側)証拠1~2が出ていることを確認しました。裁判長から、被告側に「この他に反論を出す予定はあるか」と尋ねました。それに対し岩井弁護士は、「答弁書で完結している。訴状に過不足なく答えているので、これ以上付け加えることはない」と答えました。裁判長から原告側に、①答弁書への反論、②訴状で「追って主張する」と書かれている著作権に関わる法理論についての新たな主張の展開、の2点について、次回口頭弁論までに提出することを求めました。
ここで、原告側代理人の髙池弁護士が、映画のDVDを証拠として出すよう被告側に求めました。これに対し、被告側は「検討します」と答えました。荒木田弁護士が、「被告側に、出さないという選択肢はあるのか」と訊きました。それに対しては、「使われ方にいろいろあるので、検討します」と答えました。裁判長は、被告側に「検討して下さい」と言いました。あとでの報告会では、被告側は、DVDを商業的に使わないことなどの条件を付けてくるのではないかとのことです。もし映画のDVDを出さなければ、原告側の主張が100パーセント通ることになります。このあと、原告の山本優美子、藤岡信勝の両名が意見書を読み上げました。発言時間は両者ともキッカリ5分でした。それもそのはず、5分ということを事前に求められていて、時間を計って臨んでいました。
第2回口頭弁論は11月14日(木)午後2時で、法廷は変わる可能性もあるとのこと。原告の上記①②の文書は、10月30日までに、裁判所と被告側に送達することになりました。2時25分、閉廷。終了後40分ほど、別室で報告会を行い活発な質疑がなされました。傍聴者の感想を2件紹介します。■佐藤和夫氏慰安婦捏造映画主戦場訴訟第一回公判に行ってきました。原告側から山本優美子さんと藤岡信勝先生が出崎氏の嘘により名誉毀損を受けたと上映の禁止と賠償金の請求を求めた。お二人共堂々と論点を明瞭に説明された。傍聴席は大半が保守側、記者会見の時とは打って変わった状況だった。国内戦では言論、裁判とも負け続けていたので、出崎の映画は左翼側の溜飲を下げた。しかし表現の自由とか著作権とか言って目くらましをしても騙した事実は隠せない。旗色の悪さに左翼側の傍聴者も来づらいと思ったのだろう。しかし朝日の北野記者、元北海道記者も傍聴しており、左翼側の我が方の情報収集には感心する。11月14日、二回目の公判(正しくは民事では口頭弁論という-藤岡注記)がある。裁判は長期戦になるのでその間日本の映画館やアメリカの大学で放映されると言う。捏造映画が裁判中も放映されるのを止める為に仮処分の訴訟を起こすそうだ。(正確には検討中-藤岡注記)慰安婦歴史戦の本丸はアメリカである事が明らかになった。■関野通夫氏この問題については、藤岡先生や「発信する会」から詳細な説明がなされており、私が何か書く必要はありませんが、本日、第一回公判を傍聴し、今後もできる限り傍聴するつもりなので、特にかつて吉見義明対桜内文城の裁判公判をほとんど(籤に外れたとき以外)傍聴したので、特にその時との比較などレポートしてみたいと思います。吉見教授が起こした裁判では、ほとんど常に、傍聴は籤にあたらねばできず、その分早く家を出るとか、くじに当たった篤志家に譲っていただけなければ傍聴できなかったが、今日は、くじ引きもなく、そのために並ぶ必要もなく806号法廷に入廷できました。
このことは何を言っているのでしょう。出崎と吉見の左翼の中における立ち位置が違うのでしょう。出崎を支持する組織的動きは日本ではあまりないのでしょうか。吉見教授は、それなりに人格的にも左翼の中で尊敬されていたのではないでしょうか。そういうものを出崎は持っていないのか、そのバックにいる中野教授もそれほどの勢力はないのか、あるいは出崎は、日本でより、アメリカでのほうがパワーがあるのかいずれかだと思いますが、今後も継続的に見守っていこうと考えています。一方、出崎の基本的な狙いや作戦をできるだけ早く知る必要があります。普通なら、あれだけの詐欺行為をやれば訴えられるのは当然と考え、それでもよしと考えたのでしょうか。彼を裁判でやっつけることのほかに、出崎は建前上、慰安婦という虐げられた人を擁護するという正義を行っていることになっているのでしょうが、その男が、大勢の人を騙すという不義を行うという矛盾を強調すべきだと思います。また、彼をアメリカで訴えられないかというようなことも頭に浮かびます。一般的に、アメリカでの損害賠償は、べらぼうに高いと理解していますが。
「主戦場」訴訟第1回口頭弁論報告(2)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月22日
原告 山本優美子が読み上げた意見書 私は、いわゆる慰安婦問題に取り組む市民団体「なでしこアクション」代表 山本優美子と申します。 慰安婦について世界中に広まった誤解を解き、日本と日本国民の名誉を守るために海外の慰安婦碑や像の設置反対運動、国連の人権委員会やユネスコにおいて慰安婦の真実や日本の立場をアピールする活動を続けてきました。 世界中に広まった誤解とは「慰安婦の強制連行、数20万人以上、性奴隷」です。これらがいずれも真実でないことは、日本政府の見解でもあります。
 ところが、海外では、依然として「慰安婦はアジアのホロコースト」のプロパガンタが広がっています。その影響で、私たちが様々な資料を提示して、それが虚構であることを証明しても、「リビジョニスト、ナショナリスト、レイシスト、ファシスト」などと呼ばれることがあるのです。 例えば、私が2014年7月国連の人権委員会に参加した時、何と、国連側のスタッフから「リビジョニスト」と呼ばれました。また、2014年12月、サンフランシスコで講演した時は、プラカードを掲げた人たちから「ヤマモトユミコ レイシスト、ナショナリスト、出て行け」との罵声を浴びました。ニューヨーク市でも同じ様な経験をしました。
 慰安婦強制連行説や性奴隷説を否定する立場の私たちは、海外では、このように不当に侮辱され、時には身の危険に晒されることもあるのです。 私が映画「主戦場」に登場するに至った経緯(いきさつ)を説明します。 私が役員の一人である「歴史の真実を求める世界連合会」という団体が、2016年5月23日、議員会館で米国グレンデール市慰安婦像撤去訴訟の報告会を開きました。当日、上智大学院生で「慰安婦の研究のために報告会のビデオ撮影をしたい」という出崎幹根氏が友人たちと一緒に撮影機材を持って参加し、私は彼らから挨拶されました。 報告会翌日、出崎氏から「件名:上智大学院の出崎幹根のドキュメンタリーインタビューご協力のお願い」のメールを受信しました。メールには丁寧な日本語で次のように書いてありました。 「私は日系アメリカ人で、現在上智大学で大学院生をしております」 「慰安婦問題をリサーチするにつれ、欧米のリベラルなメディアで読む情報よりも、問題は複雑であるということが分かりました。慰安婦の強制に関する証拠が欠落していることや、慰安婦の状況が一部の活動家や専門家が主張するほど悪くはなかったことを知りました。私は欧米メディアの情報を信じていたと認めざるを得ませんが、現在は、疑問を抱いています」 「大学院生として、私には、インタビューさせて頂く方々を、尊敬と公平さをもって紹介する倫理的義務があります」
 「これは学術研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさなければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはありません」 「公正性かつ中立性を守りながら、今回のドキュメンタリーを作成し、卒業プロジェクトとして大学に提出する予定です」私は、出崎氏が在学したと同じ上智大学の卒業生です。海外からの留学生が多かったこともあり、日本で学ぶ学生を応援したい気持ちが強くありました。また、米国で慰安婦問題が広がる中、日系人である出崎氏が慰安婦問題を研究するなら協力したいと思ったのです。 私は、6月11日、母校上智大学四谷キャンパスの教室で2時間ほど出崎氏らのインタビューを受けました。 インタビューに際して、私は、承諾書に捺印しましたが、それは、当然、出崎氏がメールで説明した「学術研究の卒業プロジェクト」であると理解していました。よもや、街中の劇場で入場料を徴収して一般公開するような映画になるなどとは説明を受けませんでしたし、想像もしませんでした。 それから卒業プロジェクト完成の連絡もないまま、2年以上経った2018年9月30日、突如、出崎氏から「10月7日に釜山国際映画祭において公開」とのメール。次いで、2019年2月28日に「4月20日から東京・渋谷を皮切りに、全国で順次公開」とのメールを受信しました。 映画を見ました。「尊敬と公平さ」「公正性かつ中立性」などかけらもないものであることに心底驚きました。 映画は、先ず、冒頭で、保守系の人たちを画面いっぱい大きな文字で「右翼」「ナショナリスト」「歴史修正主義者」「歴史否定主義者」とレッテルを貼ることから始ります。終盤で今度は、私たちを「人種差別主義者、性差別主義者、ファシスト」と罵るのです もし上智大学院生の卒業プロジェクトでなかったなら、もし一般公開される商業映画であることを知っていたなら、もし「主戦場」のシナリオを知っていたなら、私は、出崎氏のインタビューに協力することなど絶対にありませんでした。なぜなら、冒頭で述べたように、慰安婦の強制連行や性奴隷説を否定する立場の私たちは、特に海外では一方的に酷いレッテルを貼られ、罵られ、時に身の危険を感じることもあるからです。 このような映像が、堂々とドキュメンタリーと称する商業映画となり国内外で一般公開されつづけて良いものでしょうか。既にこれまで公開された間の私たちの精神的苦痛、名誉と尊厳への損害は計り知れません。 私はこの映画の一般公開の即刻中止を求めます。 以上、私は、裁判所の良識を信じて私の意見陳述を終えます。
「主戦場」訴訟第1回口頭弁論報告(3)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月22日
原告 藤岡信勝が読み上げた意見書 (1)私は、約40年間、北海道教育大学、東京大学、拓殖大学に奉職し、研究と教育に携わって来た者です。専攻は教育学です。現在は一切の職を退いております。 (2)日本で慰安婦問題がテレビを含めメディアで広く取り上げられるようになったのは、1991年の12月でした。
 当時、私は文部省派遣の在外研究員としてアメリカにおりましたが1992年8月に帰国してからこの問題を調べました。 すると、秦郁彦という歴史学者が、奴隷狩りが行われたという韓国の済州島で現地調査をしたところ、誰一人そんなことは見たことも聞いたこともないと言っていたことを知りました。 また、西岡力という韓国研究者は、元慰安婦の女性からの聞き取り調査などによって、日本の官憲による強制連行を矛盾無く証言した者はただの一人もいないことを突き止めました。
 慰安婦問題とは、日本から補償金を取るためと、日本人が悪逆非道であると世界に印象づけることに利益を感じる勢力によって、日本叩きの目的で捏造された問題であることがわかりました。 今では、日本国内の慰安婦論争は決着がつきました。 (3)2016年9月9日、私は上智大学大学院生・出崎幹根のインタビューを受けました。 この件に関して二つの論点があります。
 第一は、インタビューの目的が学術研究だったことです。 私がインタビューに応じた最大の理由は、目的が「学術研究」であったからです。 被告・出崎は、「卒業制作として、他の学生と共にビデオドキュメンタリーを製作しておりまして、ドキュメンタリーは『歴史認識の国際化』をテーマとしています」と書いていました。 私も大学で学生の卒業論文や修士論文を指導していた時には、学外の多くの方々にお世話になりました。 学問研究の世界は一種の共同体で、特に学生の研究にはお互いに協力してやらねばならない、という規範があります。 私は被告・出崎に何の疑念を持ちませんでしたが、ただ一度だけ、強い不審の念をいだいた瞬間があります。 それは、ビデオ撮影が終わって、被告・出崎から承諾書にサインしてほしいと切り出された時です。 こちらは善意で協力しているのになんで承諾書が必要なのか、と腹立たしい思いをしたのです。 「そういう文書にサインするのは私の趣味に合わない」と言ってサインを拒否し、出崎らを追い返しました。
 ところが、『ニューズウィーク日本版』6月25日号の朴順梨のレポートでデザキは、承諾書・合意書には「学術プロジェクトとは一切書かれていない」とシラを切りました。 これは詐欺的行為の自白に等しいものです。 アプローチの段階では、学術研究であるとして商業映画であることを徹底的に隠蔽し、映画を公開するときは、それが大学院の卒業制作であることをあくまで否定する。 これはデザキの企画が初めから協力者をペテンにかけて騙すために、巧妙に仕掛けたものだったことを疑問の余地なく示しています。
 (4)第二の論点は、私に無断で商業映画に映像・音声を使用することは「合意書」違反であるということです。 指導教官・中野晃一教授から私のサインを貰わなければ研究を始めることはできないと言われた被告・出崎は、藤木俊一氏と交わした「合意書」を送ってきて、これで何とかサインしてほしいと懇願しました。 藤木氏の書き直した「合意書」は、取材される側の権利も書かれていました。 それで私は妥協して、合意書にサインしました。 出崎の行為は合意書の5・6・8項に違反しますが、ここでは、8項のみ問題にしてみます。 8項には、「甲[デザキ]は、撮影・収録した映像・写真・音声を、撮影時の文脈から離れて不当に使用したり、他の映画等の作成に使用することがないことに同意する」と書かれています。 私は、被告・出崎の「卒業制作」には協力しましたが、商業映画に使用してよいという許可を与えたことは一切ありません。 私の許可なく、無断で、私のインタビュー映像等を自分の商業映画に使ったデザキは、「他の映画等の作成に使用することがないことに同意する」という合意書の禁止規定に明白に違反しています。
 (5)学術研究は人を傷つけるためにあるものではありません。 まして、学術研究を騙って善意の協力者を騙すこのような行為は決して許されるものではありません。 映画の上映地域の拡大に比例して、私の精神的苦痛、人権侵害の被害は増大しています。 裁判所の賢明なご判断が得られますことを信じております。
上智学院理事長・上智大学学長あて通告書(8月28日付け)(1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月24日
 ★映画「主戦場」で侮辱され、人権を侵害された被害者のうち、ケント・ギルバートら5名は、代理人弁護士を通して、8月28日付けの「通告書」を上智学院理事長・上智大学学長に内容証明郵便として送った。発送は29日、配達証明書の日付けは30日であった。今回から5回に分けて連載する。
 内容証明郵便は1ページ20字×26行の制約があり、全ページに印鑑が押されている。分量は全体で30ページにもなっているが、これはそのテキスト版である。読みやすくするために、段落の区切りを「一行アキ」とした。なお、本筋に関係のない住所・電話番号等の情報は省略し、あまりに煩雑な詳細はカットした。誤字・誤植の類は修正ズミである。適宜必要に応じて[ ]で括って注記を入れる。(9.24藤岡信勝記)通告書(内容証明郵便)令和元年8月28日東京都千代田区紀尾井町7-1
学校法人上智学院 理事長 佐久間勤 殿
上智大学     学長  曄道佳明 殿弁護士 髙池 勝彦 前略 小職は、別紙代理人目録記載の弁護士25名を代表して    ケント・エス・ギルバート(タレント、アメリカ合衆国カリフォルニア州弁護士)
  トニー・マラーノ(国際ジャーナリスト)
  藤岡信勝(元東京大学教授、新しい歴史教科書をつくる会副会長)
  藤木俊一(会社社長、「テキサス親父」日本事務局長)
  山本優美子(「なでしこアクション」代表)5名の委任を受け、貴学院及び貴職らに対し、下記のとおり質問・通告します。記1 経緯 小職らが貴大学との関連で問題にする事案の従前の経緯は次のとおりです。すなわち、 (1)かつて貴大学大学院グローバル・スタディーズ研究科修士課程(前期博士課程)に在学した大学院生で平成30年に同課程を修了した日系二世のアメリカ人ミキ・デザキ(日本名・出崎幹根。以下「出崎」という)が「監督」した映像作品「主戦場」(以下「本件映画」という)は、いわゆる慰安婦問題を中心テーマとしたドキュメンタリー映画という触れ込みで、本年4月20日から東京を初め全国の映画館で上映され、すでに数万人に及ぶ多数の観客を動員しているとのことです。本件映画には、日本語・英語・韓国語の三つのバージョンが存在するとされ、7月25日からは韓国での上映が始まり、アメリカでも今後上映される可能性があると見られています。 (2)ところで、上記5名(以下、単に「5名」という)は、その意に反して、この映画に「出演」させられている者たちです。5名は、確かに出崎の求めに応じインタビューを受けましたが、それは出崎が大学院の修士課程を修了するために修士論文に代替する研究として大学に提出する「卒業制作」「卒業プロジェクト」(以下「修了研究」という)に協力を求められたからであり商業映画への「出演」は承諾していません。
 例えば5名のうち、出崎が最初にアプローチした山本優美子の場合、出崎は同人に対するメールの依頼文の中で、インタビューの目的を次のように説明していました。 「これは学術研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさなければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはありません」「私が現在手がけているドキュメンタリーは学術研究であり、学術的基準に適さなければなりません。よって、公正性かつ中立性を守りながら、今回ドキュメンタリーを作成し、卒業プロジェクトとして大学に提出する予定です」と。 また、同じく出崎のインタビューを受けたジャーナリスト櫻井よしこの場合、同人に対するインタビューの趣旨を説明した出崎の依頼状には、ことさら、上智大学の校章の入った便箋を用い、白々しくも、次のように書かれていました。
 「我々が慰安婦問題について研究を進める過程で、日本の保守派がこの問題に関して説得力のある議論を展開していることが明らかになった。慰安婦問題に関わる右派・左派両方当事者へのインタビューをもとに、両者の議論の対立点を鮮明化することを目的としたインタビュー」であると。 (3)このように表現は様々ですが、出崎は、①修士課程の修了要件である修士論文に代替する研究としてのビデオ製作であること②製作して大学に提出するためのものであることの2点を全員に共通するインタビューの目的として述べていました。5名は、すべて、この出崎の発言を信じて、善意から貴重な時間を割き、無償で出崎のインタビューに応じたのです。
 (4)出崎は修了研究のために他の二人の大学院生、岡本明子、オブリー・シリヴィとともに修了研究制作チームをつくり、5名に対するインタビューを実施しました。その各インタビューの申込日・撮影日・撮影場所は次のとおりです。[省略]
上智学院理事長・上智大学学長あて通告書(8月28日付)(2)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月23日
 (5)ところで、出崎の修了研究として大学院に提出したはずのドキュメンタリー・ビデオはどのようなものになったのか、5名のうちの誰一人として知らされた者はおりません。そうするうちに、出崎は、藤岡を除く4名に対し、ドキュメンタリー映画が完成し平成30年10月に釜山の国際映画祭にて上映されることになったと通知してきました。映画のタイトルは「主戦場」とのことで、卒業制作のテーマとして5名に告げていた「歴史議論の国際化」とは全く異なるものでした。そして、その後平成31年3月と4月に開催された本件映画の試写会で明らかになったことは、この映画の実態が学術研究とはおよそかけ離れた韓国の元慰安婦の確証のない「証言」なるものを真実と前提して、日本政府及び日本人を糾弾する運動のための一方的でグロテスクなプロパガンダ映画となっていることでした。 本件映画は、慰安婦問題を取り扱っているのですが、終幕に至るや、やおら、安倍政権の政策全般の批判に転ずるのです。時の政権を批判することは、もとより、国民の表現の自由に属するでしょう。しかし、問題は、そういうことではなく、本件映画の製作が学術研究目的にあるのではなく、専ら自らの政治的メッセージを観客に伝えることを目的としていることを端的に示していることです。
 それだけではありません。本件映画は、始まるや否や、藤岡、衆議院議員杉田水脈、ケント・ギルバート、藤木俊一、トニー・マラーノの5名の顔写真を並べたうえ同人らを「歴史修正主義者」として紹介しているのです。 いうまでもなく「歴史修正主義者」(Revisionist)とは、ナチスのホロコーストを否定する道徳心の欠けた人間として社会的に抹殺されて当然と見なされているような存在です。しかも、本件映画は、REVISIONISTというレッテル貼りのための文字を画面いっぱいに大映しして、上記5名を断罪し、先ずこれを観客の脳裏に刷り込むことを意図してつくられています。 本件映画の「公式プログラム」には、もっともらしく、「対立する主張の数々を小気味よく反証させ合いながら、精緻かつスタイリッシュに一本のドキュメンタリーに凝縮していく」などと書かれていますが、その実態は5名が何かを話すや、これに反対する論者らが寄ってたかって5名の話を叩くという構成になっています。しかし、5名の側にはこれに対する反論・「反証」の機会が与えられていないのです。
「反証させ合い」など全くしておりません。出崎は撮影時の「公正性かつ中立性を守りながら、今回ドキュメンタリーを作成」するとの約定を完全に裏切っています。かくして、本件映画は、一方的なプロパガンダ映画になっているのです。
 取材対象者の5名は、それぞれ根拠をもって体系的に話しているにもかかわらず、前後の脈絡を無視し、発言者の一部の言葉尻を恣意的にとらえ、したがって、結果的に発言者の真意を歪めてインタビュー対象者を人格的に貶める巧妙な手口が駆使されています。先のレッテル貼りと併せて、本件映画の真の狙いは、「慰安婦=性奴隷」否定派の論者の人格を攻撃し侮辱することにあったと断定できます。ちなみに、慰安婦性奴隷否定論は日本政府の見解でもあります。 出崎は、山本優美子宛に「大学院生として、私には、インタビューさせて頂く方々を、尊敬と公平さをもって紹介する倫理的義務があります」などと書いていましたが、実際に行ったことはそれとは正反対のことでした。
 5名のインタビュー映像がこういうかたちで用いられることを少しでも予想していたなら、この5名は絶対に出崎のインタビューの申し入れに応じることはありませんでした。したがって、出崎の5名に対するインタビューの趣旨説明は、必然的に欺罔的にならざるを得ず、上記のような多くの詐言を弄することになったのです。このようなやり方が学術研究の名でなされることが許されるはずがありません。このことは政治思想の左右の対立・論争の問題などではなく、したがって、貴学が局外中立に立てる問題でもありません。
 (6)かくして、5名は共同声明にサインした上で、5月30日、日本記者クラブにおいて開かれた記者会見の場でこれを発表し、本件映画の上映中止を求めました。すると、出崎と本件映画の配給会社東風は、これに対抗して、6月3日、記者会見を開き、映画の差し止め要求を拒否しました。そこで、ケントら5名は、やむなく、6月19日、出崎と東風を被告として、本件映画の上映中止と損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴するに至りました(令和元年(ワ)第16040号映画上映禁止及び損害賠償請求事件)。
上智学院理事長・上智大学学長あて通告書(8月28日付)(3)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月26日
2 上智大学の責任 (1)5名が出崎のインタビューに応じた根本理由は、本件映画が上智大学という日本を代表する私学における学術研究であることを信用した点にあります。出崎が、山本優美子へのメールにおいて「これは学術研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさなければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはありません」(下線は引用者による)として示したように、「偏ったジャーナリズム的なもの」になるのではないかという研究対象者の懸念を「学術的基準と許容点を満たした」「学術研究」を偽装することで払拭しているのです。つまり、上智大学への社会的・学術的信用を利用して、プロパガンダ映画が作成されたのです。もし、出崎が正面から一人のジャーナリストとして取材を申し込んだのであれば、当然ながら5名は「偏ったジャーナリズム的なもの」に利用されることを警戒して、当然、インタビューを断ったであろうことは明らかです。 (2)学術研究が政治的・商業的・宗教的プロパガンダに利用されるような事態を防ぐため、各大学は、研究倫理規定を設け、学術機関の信用毀損を未然に防ぐ手立てを講じております。貴学においても、研究倫理規定を定め、特に、今回の件のような聞き取り調査に基づく研究については、研究対象者の権利を守るために「人を対象とする研究」についての事前審査規定を定めておられます。ところが、出崎は、当該研究において、この審査を受けておりません。どのように優れた倫理規定を定めても、それを端から回避することが容認されてしまっては、何の実効性もありません。出崎および出崎の指導教官である中野晃一教授は、学術上の重大な倫理義務違反を犯しているといえます。
 (3)中野教授は単にその指導学生が研究倫理上の問題行動を起こしたことについて管理責任を問われているというだけではありません。中野教授は出崎の修了研究の単なる指導教官だったのではなく、①みずから映画「主戦場」に登場し、しかも、一方に偏した重要なコメントを最も長くほしいままに述べていること②製作過程でも、藤岡信勝が承諾書のサインを拒否したことへの対応として、サインをとれなければ製作を続けることはできないと指示していたこと③取材対象者を欺罔し誹謗する映画の問題点が指摘された後でも、なんらその問題性を認識することなく「今になって騙されたなんだって言ってるけど、全部自分がしゃべっている話なんですね」などとの言辞を弄し、研究倫理上の問題性を省みなかったこと④さらに、みずから商業映画の宣伝役まで買って出ていること⑤被害に遭った5名を「顔も見たくない人たち」などと公の場で露骨に嫌悪の情を示してののしっていること⑥指導教官なら院生のインタビューへの協力にまずは謝意を表するのが礼儀であるにもかかわらず、全くそのような姿勢を示さず、逆に、してやったりの態度をとったことなどを指摘できます。
 上記各事実を総合すると、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科中野晃一教授は、単なる指導教官の域を超えて、当初から研究対象者・協力者をペテンにかける不正な企みに積極的に加担し、出崎の詐欺的行為を出崎と一体となって企画・推進したことが明らかです。ここに事態の深刻さがあります。 (4)かかる事情を鑑みれば、貴学には以下の責任があることが明らかです。すなわち、①出崎が貴学の「人を対象とする研究」の審査を受けずに作成した卒業研究を修士課程修了の要件として認定したこと②「人を対象とする研究」の事前審査を受審する義務について、貴学の指導教官が意図的に懈怠したこと③出崎の修了研究についてその共同制作者とも言える中野教授に、学術の名を騙った詐欺行為を許した貴学の人事管理上の責任です。
かかる詐欺的行為が、上智大学の研究手法として何ら問題のないものとみなされるのであれば、過去に築きあげられてきた学術研究機関としての貴学の名声と信用は、根底から破壊されます。それは同時に、貴学に籍を置き、真面目に研究活動に勤しむ他の同僚研究者(院生・学部生を含む)の今後の学究活動に重大な障害をもたらすものと危惧されます。
 (5)被害者の藤岡信勝・藤木俊一・山本優美子の3名は、4月27日、貴学大学院グローバル・スタディーズ研究科の委員長あてに問題の発生した経緯を説明するとともに、インタビューに訪れた3名の元大学院生に関する質問状を送りました。ところが、委員長からはこれに対し、本人の文書による許可がなければ答えられないとの返信が来ました。 そこで、藤岡信勝は貴学の卒業生である山本優美子の協力のもとに、研究倫理上問題のある事案の告発窓口である監査室に電話をし、窓口担当者に30分ほど説明をしました。そして、貴学の責任者の立場にある学長または研究倫理担当の副学長に説明するためのアポを求めました。その趣旨は、事態が悪化する前にこの件について、学問の府である大学にふさわしい主体的な判断によるけじめをつけていただくことを期待したからです。ことは上智大学の名誉にも深く関わることです。ところが、当方への返事は、学長・副学長との連絡がつかない、連絡はついたが検討中である、面会するかどうかも検討中だ、いつまでに結論を出すかは答えられないなどの全く誠意を疑われるような対応に終始しました。かくして、小職は、貴学に対し、直接、本書によって問題の所在を知っていただくべく、本書の送達に到った次第です。
上智学院理事長・上智大学学長あて通告書(8月28日付)(4)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月27日
3 質問・要請事項 従前の経緯の概略は、前項記載のとおりでありますが、小職らは、貴職らに対し、以下のとおり質問・要請いたします。 すなわち、
 (1)本件映画の製作に携わった出崎幹根、大学院生岡本明子、同オブリー・シリブィの3名の在学期間と修士課程卒業年次並びに修了研究(「卒業制作」)のテーマ、概要、課程修了の可否、評点をご教示ください。
 (2)修了研究の聞き取り調査として作成されたインタビュー素材を、研究協力者に事前に知らせることなく商業映画に転用した出崎の行為について、貴学・貴職らは何ら問題ないとお考えですか。見解をお聞かせください。また問題ないとされる場合には、今後も同様の事態が貴学の学術研究の下で生じても、問題はないと認識されますか。 (3)出崎の修了研究は、研究対象者への聞き取り調査を中心に構成されており「人を対象とする研究」に該当します。  貴学が定める「人を対象とする研究」に関するチェックシートでは、24の項目について、<yes‐no>で答えるようになっていますが、そのうち一つでもyesがあれば、委員会による審査の対象となり得るとされています。今回のケースでは、以下の各項目につき、Yesとなり、明らかに審査を受ける研究に該当すると考えられます(番号はチェックシートの番号)。[*従って、番号はとぶことがある]

<1>試料・情報・データ等の収集
(1)侵襲・危険性
  ①研究対象者が何らかの身体的または精神的な負担、不快、苦痛あるいは危険性を伴う可能性がある。yes
  ②研究対象者となることで、研究対象者個人や集団が差別を受けたり、経済状況や雇用・職業上の関係、私的な関係や財産等に損害を与える危険性がある等、研究対象者に不利益が生じる可能性がある。yes
(3)情報・データ等収集の手法
 ① 実験、調査の正確性を期すなど、研究遂行上の止むを得ない理由により、研究対象者に真の研究目的を知らせることができない。yes
(4)研究対象者・研究対象者との関係
 ③ 研究対象者や、研究対象者の関係者との間に、利益相反関係がある。(例えば教師、同僚、雇用主、親族等、当該研究の実施、協力以外に何らかの力関係や血縁関係等がある。)  yes
<2>情報・データ等の分析
(1)プライバシー
 ① 個人が特定される情報・データ等に基づき、分析活動を行う。 yes
<3>試料・情報・データ等の管理(保管・廃棄)
(2)試料・情報・データ等の廃棄時期・方法
 ② 収集した試料・情報・データ等の全部または一部につき、検証や将来の研究利用または他機関への提供等研究遂行上の理由により、当該研究終了後も廃棄しない予定である。yes
<4>情報・データ等の公表
(1)結果の公表
 ① 研究・調査結果の公表の際に、研究対象者個人や特定の集団が不利益、不快感を被る可能性がる。yes
 ② 研究遂行上の止むを得ない理由により、研究・調査結果の公表の際に、研究対象者に公表内容の全てを開示できない。yes
(2)プライバシー
 ① 研究・調査結果の公表の際に、個人が特定される可能性がある。yes

 上記各項への判定(yes)につき、以下補足説明をします。次のとおりです。
<1>
 (1)①については、現実に上記の 苦痛を感じた者がおり、被害をアピールし訴訟にまで及んでいるのですから、明らかです。
 (1)②については、出演者が学術上の手法とは全く関係のないレッテル貼りによって批判されており、研究協力者の社会的評価を貶めることは明らかです。
 (3)①については、商業プロパガンダ映画への転用という、真の目的が秘匿されています。
 (4)③については、同映画に指導教官である中野教授自身が出演しており、研究対象者との間に利益相反関係があり得ます。
<2>
 (1)①については、修了研究中において本人が特定されていることは明らかです。
<3>
 (2)②については、商業作品に転用されており、当該研究終了後も廃棄されていません。
 <4>
 (1)①については、プロパガンダ映画として公表されており、研究対象者個人が不利益、不快感を蒙っている。
 (1)②については、研究対象者にプロパガンダ映画への転用という公表内容が開示されていません。
 (2)①については、個人が名指しで公表されています。
 以上、1 箇所でも該当すれば「人を対象とする研究」の審査を受ける理由となるところ、9箇所にも亘って該当しています。
 貴学にお尋ねします。出崎の卒業研究は「人を対象とする研究」の事前審査を受けるべき研究と考えられますか。<yes> または<no> でご回答ください。
 また、<no>である場合には、上記9項目について、いずれにおいても該当しない理由をご教示下さい。
上智学院理事長・上智大学学長あて通告書(8月28日付)(5)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月28日
 (5)「人を対象とする研究」においては、研究協力者に対してインフォームド・コンセントの徹底が義務付けられています。当該研究においては、そもそもが「人を対象とする研究」の審査を受けておらず、5名に対して要件に課されているようなインフォームド・コンセント自体が全く実施されておりません。審査を通過したと想定される場合でも、その研究条件にはインフォームド・コンセントの実施が含まれるはずですが、仮に当該研究について真実に基づいた説明が行われていた場合、5名は誰一人聞き取り調査に協力することはなかったはずです。インフォームド・コンセントには、「研究への参加は任意であり、参加に同意した場合であっても随時これを撤回できること」が研究協力者に認められた権利として確認されておりますが、5名がこの権利を行使し、インタビュー素材の撤回・破棄を要求した場合、貴学としていかなる対応を講じられるのか、お答えください。 (6)出崎の修了研究について、学術研究上の倫理規定に対する重大な逸脱があったと認識されますか。<yes>または<no>でご回答ください。<yes> の場合はその具体的な問題箇所をご指摘ください。 <no>である場合、今回の出崎の修了研究のような手法・手続きにおいて再び同様の研究が今後生じた場合でも、上智大学は全く問題なく、学術研究の正当な方法であると認容されますか。<yes> または<no>でご回答ください。
 (7)出崎の修了研究を指導・監督する責にあった貴学の中野教授の指導責任について、重大な過誤があったと認識されますか。<yes> または<no>でご回答ください。<yes> の場合はその具体的な問題個所をご指摘ください。<no>である場合、今回の出崎の修了研究に対する指導・監督として再び同様の対応が指導教員によって繰り返されたとしても、上智大学は、学術研究上正当な指導であると認識されますか。<yes> または <no> でご回答ください。 (8)貴学の中野教授は、指導・監督の立場を超えて、本件修了研究の共同制作者としてこれに密接に関与しております。学術研究とは名ばかりのプロパガンダ映画を上智大学という信用度の高い学術研究機関の看板を利用した詐欺的手法によって製作したこと自体、貴学に社会的責任が発生すると考えます。貴学は、中野教授が貴学の社会的信用を騙って詐欺的手法によってプロパガンダ映画を製作したことを貴学の名誉と信用を傷つける行為であると認識されますか。<yes> または <no> でご回答ください。<no>である場合、今回と同様の手法で貴学の教員が、類似の作品を今後製作するようなことが再びあっても、貴学として容認されますか。<yes>または<no>でご回答下さい。
 (9)最後に、貴学に要請したいことがあります。出崎が卒業プロジェクトとして大学院に提出した映像作品のコピーをご供与ください。 供与を求める理由ですが、5名は、貴学の大学院生である出崎に学術研究に資するため無償で協力したのですから、貴学には協力者に作品を見せる学術的・道義的義務があると考えるからです。なお、卒業制作と商業映画が別のものであることは、指導教官の中野晃一教授が4月19日に国会内で行った政治集会「安倍政治を終わらせよう! 4.19院内集会」において講演し「オリジナルカットのものが修士論文に代わる学位を取るための制作物」(A)であるとし、「その後、さらに編集やったり音楽入れたり」してつくった映画(B)を別のものとして区別して説明しています。この点は5名の認識とも一致しています。貴学にコピーの供与を求めているのは(A)の作品です。4 結語貴職らは、真理を探究する学問の府の責任ある立場にあられ、とりわけ「カトリシズムの精神に基づき、学術の中心として真理を探究し、文化の発展と人類の福祉に寄与する研究活動を行ってきた」ことを標榜する権威と実績のある上智大学の最高管理者として、今回の事案の重大性に鑑み、10月末日までに上記各質問に誠実に回答し、また、要請事項にも応じていただきたく、本書を以って要望する次第です。 また、ご参考までに別便にてご関係資料をお送りするとともに、求められれば、5名が直接事情を説明します。 なお、本「通告書」の2(5)で述べたとおり、本事案の被害者らが研究倫理上の不正行為に関する貴学の告発窓口に事の次第を申し出たにも関わらず、貴学の対応に真剣さと誠実さがうかがえませんでした。よって、小職らは、本問題が貴学の信用と名誉にかかる重大・深刻な事案であることに鑑み、本事案に関する情報を貴学の教授会構成員全員に告知することさらに貴学からの回答を含め所轄官庁たる文部科学大臣に事案の詳細を報告する予定であることを申し添えます。    草々(別紙)代理人目録[省略]
上智学院理事長・上智大学学長あて通告書(8月28日付)・一括版
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月28日
記事
上智大研究不正調査委員会の主題と人選に関する異議申立書(1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月28日
 *9月4日付け学長名による通知の求めに応じて9月11日に学術情報局研究推進
センターに提出した異議申立書。ただし、委員名は、A,B、Cなどと匿名化した。
 3回に分けて連載する。(藤岡信勝記)2019年(令和元年)9月11日
上智大学 学長 嘩道 佳明 殿藤岡 信勝
〒112-0005東京都文京区水道2丁目6-3
新しい歴史教科書をつくる会気付け異 議 申 立 書 (1)9月4日午前、貴職から「研究活動上の不正行為に係る調査について(調査の実施及び調査委員会委員の通知)」と題する文書を落手いたしました。私は、「上智大学における研究活動上の不正行為に係る調査の手続きに関する内規」(以下、「内規」と言う)第15条第2項に基づき、「調査委員会委員に関する異議」を申し立てます。 しかし、調査の内容(主題)に関しても重大な異議がありますので、併せて申し述べます。その理由は、調査の内容(主題)と調査委員会の委員に対する疑義が密接・不可分に関係しているからです。そこで、話の順序として、調査の内容(主題)に関する問題から先に述べることといたします。
 (2)私は、上智大学を舞台にして、学術研究の名を騙って行われた一連の不正行為によって、自身の社会的名誉と信用を毀損される被害を受け、その被害は今現在も継続・拡大しております。事件の概要は、上智大学の大学院生の学術研究に私たちが研究対象者として協力したところ、その研究資料(インタビュー映像)を、私を一方的に攻撃し侮辱する内容の商業映画の作成に無断で利用され、全国で一般公開されているというものです。
 その研究手続きは、研究協力者への権利侵害を未然に防ぐために大学が定めている研究着手条件に一切従わず、また、実際にも、必要な措置を全く履行しない形で実施されました。この研究上の不正行為によって、私は被害を未然に防ぐ機会を奪われました。
 しかし、この不正行為は、単に貴学の元大学院生の暴走によって起こったというものではありません。その不正行為において、主たる実行犯である大学院生を指導する立場にあった指導教授自らが、着手段階から一貫してこの計画を企画・推進していた、いわば「共同正犯」であることが明らかになっているのです。
 ですから、私たちの告発は、当然ながら元大学院生・出崎幹根のみならず、担当指導教授であった中野晃一氏をも対象としているのです。このことは、私が執筆し、市販雑誌に掲載された二つの文章のタイトル、すなわち、「慰安婦ドキュメント『主戦場』 デザキ監督の詐欺的手口」(『月刊Hanada』2019年8月号)と「『主戦場』指導教官中野晃一上智大学教授の責任」(『同誌』2019年9月号)からも明らかです。これらの文章は、貴学の側でも十分に承知されているはずです。
 (3)私は、このように、この問題を社会一般に向けて発言しているだけでなく、貴学に対しても直接告発し、問題を提起して参りました。まず、4月27日、私は同じ被害者の藤木俊一、山本優美子とともに3名の連名で、不正行為が行われた上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の委員長あてに、問題の発生した経緯を説明するとともに、インタビューに訪れた3名の元大学院生と指導教授に関する質問状を送りました。ところが、委員長からはこれに対し、本人の文書による許可がなければ答えられないとの返信が送られてきました。これは、被害者が、加害者の所属機関に被害を訴えているのに、加害者の同意がなければ、機関として対応しないということです。あまりに不可解ゆえに、私たちは再度、念を押して質問しましたが、同じ返答が返ってきました。以上が第一段階です。
 そこで、6月21日、私は上智大学の卒業生である山本優美子の協力のもとに、研究倫理上問題のある事案の告発窓口として「研究倫理に関するガイドライン」で定めている監査室に電話をし、窓口担当者に30分ほど説明をしました。そして、貴学の責任者の立場にある学長または研究倫理担当の副学長に説明するためのアポを求めました。その趣旨は、事態が悪化する前にこの件について、学問の府である大学にふさわしい主体的な判断によるけじめをつけてもらうことを期待したからです。
 ところが、これに対する当方への返事は、学長・副学長との連絡がつかない、連絡はついたが検討中である、面会するかどうかも検討中だ、いつまでに結論を出すかは答えられないなどの全く誠意を疑われる対応に終始するものでした。なお、この時点までには、4月19日の参議院議員会館における中野晃一教授の講演で、同教授が出崎の担当教授であることを自ら名乗り出ていました。以上が第二段階です。
 (4)上智大学当局において、事態の深刻さを理解する様子が全く見られないために、私たちは、やむなく、8月29日、内容証明郵便にて「通告書」を上智学院理事長並びに上智大学学長宛てに代理人経由で送付しました。これが第三段階で、この内容証明郵便による「通告書」の送付は、上記の第一段階と、第二段階の貴学の対応の結果として生じたもので、事態は一貫した一連の流れの中にあるものです。
 従って、調査委員会は、その検討課題として、「通告書」の中で触れている研究不正について遺漏なく検証することが義務づけられています。また、調査委員会の人的構成も、「通告書」において告発している内容を踏まえて構成されなければなりません。
 もしも、本調査委員会と「通告書」に直接の因果関係がないと主張されるのであれば、貴学は6月21日の告発電話の続きとして当方の事情聴取から始めなければならないはずです。私たちに告発の趣旨を説明させ、文書その他の証拠を受領する必要があります。「通告書」を調査委員会でとりあげないのであれば、私たちの告発のステートメントは完結しておらず、何を検討課題としてどのような人選をすべきなのかの起点が存在しなくなるからです。
上智大研究不正調査委員会の主題と人選に関する異議申立書(2)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月28日
 (5)次に、以上を踏まえた上で、9月4日に送られてきた文書が求める、委員の人選に関する異議申立を行います。しかし、具体的な内容に入る前に、まず一般的に、この種の調査委員会の人選に関する原則を検討しておきます。
 今回のようなケースの場合、調査委員となるべき人物は、次の条件を満たすべきです。
 (a)本件卒業制作に主題として扱われているテーマに関連する言論や運動に関わっていない者でなければなりません。それは、判断の中立性を確保し人脈的繋がりを避けるためです。
 (b)外部有識者については、上智大学に在籍していた経歴のない人物であるべきです。
 (c)研究者については、現役の研究者であることが必要です。本委員会の中立性は、委員が自身の職業的信用を賭けて判断を下す点によってのみ担保されうるものといえます。証拠を無視したり、必要な検討を懈怠して判断を導いた場合、本人の学術的信用が打撃を受けるという重みがなければ、どのような恣意的な結論も導いてしまうことが可能です。従って、研究者として現役を退いた者は不適格である、ということになります。 (6)9月4日に着信した文書によれば、今回の調査委員会委員(候補)の名簿は次の通りです。 ① A(本学教員 外国語学部ドイツ語学科)
 ② B(本学職員 学長付)
 ③ C(外部有識者)
 ④ D(外部有識者(弁護士 卓照綜合法律事務所))
 ⑤ E(外部有識者(弁護士 卓照綜合法律事務所)) (7)まず、①のA氏は、外国語学部ドイツ語学科の教授で、選出根拠は、内規第11条第4項の(1)に、「研究活動上の不正行為が疑われる被告発者の所属組織(学部又は研究科等)以外の教員1名」とあることによるもので、被告発者の所属組織(大学院グローバル・スタディーズ研究科)とは異なる、外国語学部ドイツ語学科に所属していますから、形式的にはこの内規の規定に合致しているように見えます。
 しかし、そもそも、内規第11条第4項には、「調査委員会の委員は、告発者及び被告発者と直接の利害関係を有しない者で、学長が指名する次の各号に掲げる者とする」という規定があって、その原則の一つの適用例として、(1)の同一の研究組織からの選出を避けるという規定があるものと解されます。
 そこで、この原則に基づいて検討してみると、A教授は中野晃一教授とは所属こそ異なるものの、両者は研究上密接な間柄にあることがわかります。例えば、A教授は、「ソフィア・コミュニティ・カレッジ」の2016年度秋期教養・実務講座「18歳からのメディア・リテラシー」のコーディネーターを務めていますが、10回の講座の中で基調講演の位置を占めると考えられる第1回の講師として中野晃一教授を据えています。
 しかも、10人の中には、荻上チキ(評論家)と堀潤(ジャーナリスト・元NHKアナウンサー)の両氏が含まれています。両氏は、4月20日に「主戦場」の一般映画館での上映が始まった直後の4月24日と25日に、それぞれ、TBSラジオとJ-WAVEの番組に出演し、出崎を招いて彼の商業映画のプロモーション番組の司会役を務めていた人たちです。すなわち、学術研究ではなく同一の方向性の運動に熱心に取り組んでいる、いわば運動上の仲間であり、中野教授につらなる運動上の人脈の中にいる人です。
 従って、A教授は決して中立的な第三者ではなく、中野教授と共通の利害関係をもつ、深いつながりのある人物であり、今回の件について公平な判断を期待することはできないと言わざるを得ません。すなわち、上記(a)の原則に反します。しかも、同教授は学内から選ばれた唯一の教授職の方であるため、内規の規定によって自動的に調査委員会の委員長に就任することになります。
 従って、私はA教授について委員として忌避いたします。800人もいる上智大学の教授の中から、形式的にも実質的にも中野教授の人脈に属さない人を選ぶのは容易なことと想定されます。よりによって、中野教授と人脈的につながる人物は避けるのが常識ではないでしょうか。 (8)次に、②のB氏は、学長付の職員ということで、特に異議をはさむ理由はありません。 (9)③④⑤は、「外部有識者」となっていて、委員5名中3名を占めていますが、これは内規第11条第3項で「調査委員会の委員の過半数は、上智学院に属さない外部有識者でなければならない」という規定によるものと理解できます。しかしながら、③のC氏は、肩書きは単に「外部有識者」とのみ表記されていますが、上記の(a)(b)(c)いずれの原則からも、調査委員会の委員としては不適格と言わざるを得ません。
 第一に、C氏は、上智大学に在籍(1992~2009)していた現上智大学名誉教授です。そのうえ、本件被告発者である中野晃一氏(上智大学比較文化学部講師としての着任が2002年)と在任期間も重なります。上記(b)の原則に明確に違反し、「外部」有識者としての客観性を全く欠いております。
 第二に、C氏は、既に現役を退いた名誉教授であり、調査報告でどのような結論を導こうと自身の学術的信用が今後のキャリアに影響するリスクがないため、中立性を担保する資格に欠けると言わざるを得ません。すなわち、上記(c)の原則に反します。
 第三に、すでにA教授について述べたのと同じ理由で、中野教授と同質の方向性を共有している方であり、本件研究において扱われたテーマに関連して、私たちを敵対視するような政治的立場から活発に発言・活動する人物です。
 例えば、C氏は「憲法9条にノーベル賞を」という運動団体の支援者であり、中野、C両氏がこの団体の呼びかけ人になっています。また、「表現の自由を考えよう 市民らが25日、茅ヶ崎で学習会」(2019年1月22日付け神奈川新聞ネット記事)のように、活発な活動を地元でも行っています。このような人選は、上記(a)の原則に反することは明瞭で、この段階に至ってさえもなお、厳正中立な観点から事件を解明するのではなく、研究上の不正行為の実行者らと通謀し事件を有耶無耶にしようとする意図があるのではないかと、疑わざるを得ないものです。
 以上の理由から、C氏についても、忌避させていただきます。 (10)外部有識者のうち、残りの2名は、いずれも弁護士となっております。しかも、二人の弁護士は、同一の法律事務所に所属しています。お二人は上智大学の顧問弁護士なのかもしれません。こういう状況のもとで、公正な調査と審議が期待出来るのか、はなはだ疑問です。かりに貴学の顧問弁護士でなくても、なぜ同一の弁護士事務所から外部有識者を任命しなければならないのか、疑念を禁じ得ません。外部有識者には公平な判断をできることが外見上も明らかな人物を選ぶべきです。この点、人選枠組みの再考を求めます。
上智大研究不正調査委員会の主題と人選に関する異議申立書(3)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月28日
 (11)先に述べたとおり、私たちは三つの段階を経て貴学に研究倫理に反する不正行為を訴え続けてきました。この告発は完全に貴学の研究倫理規定に則したものであるにもかかわらず、貴学は門前払いをするか、無視するという態度に出ました。最後の段階では、内容証明郵便にて「通告書」を直接、学長・理事長宛にお送りしたわけです。
 すると、そのとたんに調査委委員会の発足が告げられ、人選の原案が届けられる展開となりました。4月27日から数えてまる4か月、6月の監査室への通報から数えても2か月半という長期間にわたって、全く私たちの告発を取り上げようとせず、内容証明郵便を受け取って初めて当方ににわかに連絡をするとは、問題の認識の欠如と誠意の欠落を疑います。 (12)貴学がそのような行動をとった理由は、いただいた文書の中から垣間見えるものです。私あての文書の冒頭には、次のように書かれています。
 「標記の件について、2019年6月21日及び同月24日に貴殿から本学修了生が在学中の2017年度に制作したGraduation Project について『上智大学人を対象とする研究に関するガイドライン』に基づく審査や手続きを経ておらず、研究活動上の不正行為の疑いがある旨の通報がありました。」
 ご覧のとおり、ここには大学院生の指導教授である中野晃一教授の責任が、調査の主題として全く書かれていません。先に言及したとおり、中野教授は単に出崎の形式上の指導教授であったのではなく、学術研究の名を騙って承諾書を詐取しようとした行為の共同正犯であり、しかも私から承諾書のサインを取らなければ研究に着手してはならない、とまで課して、この詐欺行為を先頭に立って推進していたのです。
 貴学学長におかれては、通知を私あてに発信する時点ではすでに内容証明郵便による「通告書」が手もとには届いていたわけですが、それを無視するかのような対応をしています。そのことは、この問題を、卒業した大学院生のみの問題として矮小化し、中野教授の責任を全く不問に付すという態度の表れと断じざるを得ません。だからこそ、よりによって、中野教授の人脈にあることが明白な人物を委員や委員長に選んで、調査委員会を組織したという形だけを作って見せた上で、問題なしという結論を出して終わりにする、という狙いであることは見やすいことです。遺憾なことに、こういうやり方にはそのどこにも、公正性・中立性・客観性を求める学問共同体のリーダーとしての真摯な態度が感じられません。
 (13)私たちは二つの異なる告発をしているわけではありません。事件は一つで、不正行為が疑われる対象者は二人です。6月時点の告発が主に元大学院生を対象としていたという屁理屈をつけるのであれば、直ちに中野教授に関する告発を監査室に対して行います。しかし、それは時間とエネルギーのロス以外の何ものでもありません。「通告書」を正面から検討するのか、あくまで無視するのか、この点に関して明確なご返答をいただきたいと存じます。
 予備知識のない当方には、僅か7日間で異議申立の判断を迫ったのですから、この異議申立への返答はそれと同等ないしそれよりも短い期間で回答するように要求します。私たちは調査に協力することはやぶさかではありませんが、もし明確に忌避した当方の人選に関する異議が無視されるなら、可能なあらゆる手段をもってことの真相を明らかにし、上智大学の責任を追及することになると申し上げておきます。
学長におかれましては、貴学の信用と名誉がかかっていることを十分ご認識いただき、研究者としての真摯で適切な対応をされるよう強く要請いたします。なお、この文書の写しを、上智学院理事長にもお届け下さいますようお願いいたします。(以上)
上智大研究不正調査委員会の主題と人選に関する異議申立書・一括版
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年9月28日
記事
10月1日の文科省報告+記者会見シリーズ(1)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年10月2日
★中野-出崎の研究不正事件について、10月1日、文科省に報告し、記者会見を行いました。今回からシリーズで詳報します。■出崎が持ち歩いた名刺が語る詐欺師のテクニック【拡散希望】まず、下の名刺を20秒くらいジッとご覧下さい。何か気付くことはありませんか?
では、これから謎解きです。
  1. 上智大学の校章が大きく描かれています。いかにも「上智大学」を印象づけようとしています。
  2. 肩書きには「大学院生」とだけしか書かれておらず、大学院の研究科やコースなどの所属が全く不明です。
  3. そのうえ、住所には四谷校舎の代表のものだけが記載され、連絡先として意味をなさないものでした。
  4. E-mailのアドレスも、 XXX.sophia@gmail.com という、大学が正規に発行して学生に割り当てるアドレスを擬装するという手のこんだものでした。
  5. もちろん、大学が正規に発行するアドレスのドメインは、 XXX@sophia.ac.jp です。
あなたは、いくつ、気付きましたか。この奇妙な名刺が示しているのは、上智大学の権威によって私たちを信用させたいが、決して、身元につながるような情報は与えたくない、という鞏固な意図と作為です。
出崎は、他に2人の大学院生を連れ歩いていました。彼らが持ち歩いた名刺を含む3人の名刺を裏側の英語の表記も含めて一挙に並べると、上のようになります。出崎は2人の同期生をさそって自分の「卒業制作」に巻き込んだ、という解釈は間違いです。3人は、詐欺の確信犯からなる共犯グループと断定して差し支えありません。
中野・出崎の研究不正事件と上智大学の対応①
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年10月4日
 ★今回から、10月1日の文科省報告文書を連載します。タイトルは「上智大学中野晃一と元大学院生出崎幹根の『主戦場』研究不正事件と大学当局の対応について」です。適宜、関連資料や事実を補足します。◇文部科学大臣 萩生田光一 殿         令和元年(2019年)10月1日ケント・ギルバート
藤岡信勝
藤木俊一
トニー・マラーノ
山本優美子上智大学教授中野晃一と元大学院生出崎幹根の「主戦場」
研究不正事件と大学当局の対応について(報告)
1 研究倫理の存在理由  上智大学の中野晃一教授とその指導下の元大学院生・出崎幹根(日系二世の米国人)が犯した研究不正事件と大学当局の不誠実な対応について、被害者の立場からご報告いたします。はじめに、研究倫理の存在理由について基本的な位置づけを確認いたします。  一般社会では、法に違反しなければ、ほとんどのことが許容されます。しかし、学術研究の世界では、法を順守するだけではなく、研究倫理規範にも従わなければなりません。そのような倫理規範が独自に存在するのはなぜかというと、それなしには学術研究そのものが成り立たなくなるからです。
 研究倫理規範の一つは、「捏造・改竄・剽窃」をしないという規範です。即ち、「嘘をついてはならない」というものです。学術研究において「嘘をつく」ことがありうるとしたら、真理探究の手段としての学術研究はその存在価値を失います。もう一つの研究倫理規範は、「研究対象者に被害を与えてはならない」という規範です。人の行動や思考その他に関するデータを研究調査の対象とする全ての研究は、研究対象者からの善意の協力がなければ成り立たないものです。もしも、この「研究対象者に被害を与えてはならない」という研究倫理規範が守られなければ、善意で研究に協力する者は被害を受けることも覚悟しなければならない、ということになります。そうなったら、研究協力者は誰もいなくなり、研究基盤が崩壊します。
研究倫理規範に反する研究不正が発覚した場合、研究機関(大学等)は、研究不正を厳格に調べ上げ、再発しないように処分を下さなければなりません。そこに故意が認められた場合は、違反者は学術の世界からの追放をも免れません。もしも、こうした研究不正に厳正な対処がとられなかったとすれば、学術研究が「嘘をつき」「研究対象者を攻撃する」こともあり得るということになります。そうすると、学術研究は成り立たなくなります。ひとたび許されると、別の研究において繰り返されないという保障は何もなくなるからです。研究不正は、学術共同体全体の信用を左右するものです。信用修復に一次的な責任を負うのは研究機関ですが、個々の研究機関は学術共同体からその調査と処分を委任されているという関係にあります。もしも、当該研究機関に再発防止の自浄作用が働かなかったならば、次に学術共同体全体の付託を受けている監督官庁が、研究不正の解明とともに、研究機関についてもその適格性を問わなければならなくなります。そうして、当該研究不正に関与した研究者と、その是正に失敗した学術機関の両方に処分を実施して、学術研究への信用を回復することになります。監督官庁がこの信用修復に失敗したとすれば、その国の学術研究は終焉を迎えます。            ◇【補足】ここで述べられている「捏造・改竄・盗作」の事例として、上智大学で最近起こった修士論文の取り消し・修士号剥奪の事例を大学の広報記事から引用します。お知らせ2019.08.21
修士論文の不正行為について
このたび、2018年3月に本学大学院総合人間科学研究科博士前期課程を修了し、「修士(教育学)」の学位を授与された大学院生の提出した修士論文に不正の疑いがあるとの通報があり、調査を実施いたしました。
当該調査の結果、当該学生による盗用・剽窃及び捏造が認定されました。本件は、著しく研究倫理に反するものであるとともに、本学の学位及び教育研究活動の信頼性を損なうおそれのあるものです。
以上のことを受け、本学は、当該学生に対して、本学大学院学則及び学位規程に基づき「修士(教育学)」の学位授与を取り消し、学位記を返還させました。
本学では、すでにオンライン講座や研修会等、研究倫理に関する教育活動を実施してきているところですが、今後も倫理教育を継続的に実施するとともに、このような不正行為が発生しないよう、さらに再発防止に努めるものとします。
2019年8月21日
上智大学長 曄道 佳明◇ 【コメント】同じ修士課程の修了研究の論文について、このような処分を上智大学はおこなっていました。2018年3月と言えば、出崎が終了したのと同期です。こちらの不正事件はこのように処理しているのに、同期卒業生の出崎に対する告発は、告発自体を2ヶ月間も、当方から内容証明郵便を送りつけるまで、大学当局は握りつぶし続けたのです。このダブルスタンダードはなぜ起こったのでしょうか。言うまでもありません。それは、出崎と共同正犯関係にある指導教授・中野晃一を大学当局が守るためです。ともかく、上智大学はまず、上記の院生と同じように、出崎の修士論文の取り消しと修士号の撤回、学位記の返還をさせなければなりません。
中野・出崎の研究不正事件と上智大学の対応③
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年10月6日
上智大学教授中野晃一と元大学院生出崎幹根の「主戦場」研究不正事件と大学当局の対応について(文科大臣への報告)(続き)3 出崎の「卒業制作」研究の実施経過
今回の上智大学を舞台とした研究不正事件を時系列的にまとめると次のようになります。
① 大学院生出崎幹根は、指導教員中野晃一教授の指導の下に、自身の学位審査要件である学術研究(卒業制作)として、フィールド研究における聞き取り調査映像によって構成される映像作品を制作する研究計画を立てた。(2016年4月頃と推定される)
② 上智大学では、フィールド研究において聞き取り調査を実施する場合、その研究によって研究対象者に苦痛を与えるなどの利益侵害が起きることを未然に防ぐために、「人を対象とする研究」の倫理委員会の審査を事前に受けることを研究着手条件として定めている。ところが、本研究は、その手続きを完全に無視して研究に着手した。
③ 大学院生出崎は、2016年5月から翌年2月までの期間に、研究対象者8名(本報告発出主体の上記5名に加えて、加瀬英明、櫻井よしこ、杉田水脈の3名)に対してメールその他の方法で個別に研究協力を依頼し、8名のインタビュー映像を研究資料として入手した。
④ しかし、インタビュー調査は、「人を対象とする研究」の実施要件として上智大学が定める要件、即ち、研究対象者への研究計画書の交付、研究同意書書式の交付、同意書面の保管、同意撤回書式の交付、その他インフォームド・コンセントの手続きをことごとく無視して実施された。
⑤ その一方で、大学院生出崎は、インタビュー調査実施時に、学術研究への「研究参加同意書」であるかのように擬装して「承諾書」「合意書」のサインを詐取した。これは、被害者からの予想される抗議に対して法的に対抗するための準備であり、それを後に、商業的に公開された映画への「出演承諾書」であると強弁するための行動であった。
⑥ 指導教員中野晃一教授は、大学院生出崎に対して、上記のかくれた目的をもった「承諾書」の取得を、出崎の学位審査要件である学術研究課題作成の着手要件として課しており、商業映画への映像の転用は指導教員中野教授と示し合わせて行われたものであった。この点について具体的に言えば、承諾書へのサインを拒否した藤岡へのメールで、出崎は「私たちの指導教官(ママ)と話しましたところ、(中略)やはり承諾書へのサインなしには、ドキュメンタリーの製作へ着手することが難しいと言われました」(出崎から藤岡へ、2016年9月12日)と書いている。
⑦ 大学院生出崎は、完成した学術研究課題(卒業制作)を2018年1月10日、上智大学大学院に提出し修士の学位を得たが、卒業制作についても学位取得についても、何ら研究協力者8名には連絡しなかった。
⑧ その一方で、学術研究を通して入手した研究対象者らの研究資料(インタビュー映像)を研究対象者に無断で用いて映画を作成し、2018年10月釜山での映画祭において一般公開し、2019年4月からは配給会社を通して商業映画「主戦場」として日本で一般公開した。
⑨ 商業映画の一般公開後、8名の研究対象者(研究協力者)は、初めて出崎の学術研究の意図と性格を伝え聞くことになり、その内容が、8名の研究対象者(研究協力者)を一方的に攻撃し、反論を許さず、しかも人格的に侮辱するものであることを認知するに至った。
⑩ 7名の研究対象者(研究協力者)らは、5月30日、記者会見を開き、公開されている映画の上映中止を出崎に対して要求した。しかし、出崎は映画配給会社・東風とともに、6月3日、対抗して記者会見し、私たちの要求を拒否した。そこで、被害者5名は、6月19日、出崎と東風を相手取り、上映中止等を求めて東京地裁に民事訴訟を起こした(令和元年(ワ)第16040号)。
中野・出崎の研究不正事件と上智大学の対応⑤
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年10月11日
上智大学教授中野晃一と元大学院生出崎幹根の「主戦場」研究不正事件と大学当局の対応について(文科大臣への報告)(続き)5 出崎と中野教授の研究不正 今回の事件を研究不正の観点から整理すると、次の4点が倫理違反となります。
① 参加同意撤回要求に対して研究資料の破棄を履行しない義務違反
研究資料の社会的公表の中止と回収は、学術倫理上、研究協力者に保障された最重要の権利であり、研究者はそれに応じる絶対的な義務があります。5月30日、私たちが「上映中止」という形でこの要求を突きつけたのに対して、出崎はこれを拒否し、現在も映画の公開を続けています。研究協力者からの研究撤回要請を履行しないという行為は、重大な研究倫理義務違反であり、悪質な研究不正です。私たちは、今後、出崎の学位(修士号)の取り消しを大学に求めます。
② インフォームド・コンセントの手続きを履行しない義務違反
出崎は、私たちの取材において、誠実な研究であれば当然に履行するはずの、インフォームド・コンセントの手続きを全く履行していません。研究計画書の交付、研究同意書の交付および同意書面の提示と保管、同意撤回書の交付、その他インフォームド・コンセントの要件などがことごとくネグレクトされました。それによって、私たちを一方的に攻撃し侮辱する内容の映画を作成する意図が隠蔽され、私たちがその被害を受ける前に研究参加を撤回する機会が失われました。
③ 研究着手要件である倫理審査を受けていない義務違反
もしも、出崎が倫理委員会の事前審査を受けていれば、インフォームド・コンセントの手続きを義務付けられたはずです。もちろん、審査を受けなかったからといって、研究倫理上の義務を免れるものではありませんが、上記の②に挙げた事実に鑑みれば、倫理審査の回避は、実質的な研究不正です。
④ 許諾書面を詐取した研究遂行上の倫理違反
出崎は、私たち研究対象者にインタビュー取材を実施する過程において、研究倫理上必要な「研究参加同意書」を全く提示しない一方、「承諾書」なるものへのサインを執拗に迫っていました。この「承諾書」 なる文面は、現在公開されている商業映画への「出演承諾書」であるとして、私たちの抗議に法的に対抗する口実に使われているものです。
もしも、取材の過程で、卒業制作への「研究参加同意書」と、それとは別に商業映画への「出演承諾書」が研究協力者に提示されていたら、どうだったでしょう。「研究参加同意書」にはとりあえずサインするが、「出演承諾書」に対しては、完成して全編を見てから、改めてサインをするかしないかを決めるとしてサインを保留したはずです。
 他方、「出演承諾書」だけが示された場合はどうでしょう。研究協力者においては、今しがた受けたインタビュー取材は、学術研究への協力であるという頭があります。学術研究は学術倫理の制約下にあり、研究協力者は保護されるという信頼があるため、サインが卒業制作の完成に必要だと言われれば、「研究参加同意書」のようなものとして受け取り、容易にサインしてしまうでしょう。そして、実際に、何人かは、そのままサインさせられたのです。
 そもそも、真面目な研究において、学術研究として作成した映像作品が高評価を博し、配給会社を通じた一般公開を企画するのであれば、その時点で研究協力者に完成した全編を見せて、改めて出演承諾書にサインをもらえばよいことです。そうした手続きを踏まないで、研究調査の過程で研究対象者を法的に拘束しようとする書面を入手しようとすること自体、学術研究に対する信頼を毀損する行為です。ましてや、「研究参加同意書」と錯誤される状況を巧妙に作り出し、のちにそれを盾に法的に対抗しようとするなど、「詐欺」と言われても仕方のないものです。
今回の研究不正は、単なる規定上の手続きの形式的な懈怠ではありません。研究倫理規定の立法趣旨である「研究協力者の権利保護」を侵害することを目的として、規定上の手続きに意図的に違反したのです。本件研究不正は、形式的なものではなく、実質的で本質的なものなのです。
また、以上の研究不正は、直接の実施者は出崎ですが、その最終責任者は中野晃一教授です。中野教授の言動と証拠から、一連の研究不正行為が中野晃一教授の実質的な指導によるものであることは明らかです。
中野・出崎の研究不正事件と上智大学の対応⑦
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年10月13日
10月1日文科大臣宛報告より7 上智大学当局による研究不正調査の懈怠と進捗被害者の藤岡信勝、藤木俊一、山本優美子の3名は、4月27日、不正な研究が行われた上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の委員長あてに問題の発生した経緯を説明するとともに、インタビューに訪れた3名の元大学院生に関する質問状を送りました。すると、デヴィッド・ワンク委員長から、出崎本人からの書面による同意がない限り対応しないとの返信があり、回答を拒否されました。つまり、門前払いです。
 そこで、6月21日、藤岡信勝は、山本優美子の協力のもと、「告発窓口」として大学が指定している監査室に電話をし、窓口担当者に30分ほど説明をしました。そして、同学の責任者の立場にある学長または研究倫理担当の副学長に説明のための面会のアポを求めました。ところが、当方への返事は、学長・副学長との連絡がつかない、連絡はついたが検討中である、面会するかどうかも検討中だ、いつまでに結論を出すかは答えられない、などの極めて不誠実な、際限のない引き延ばしでした。
 上智大学当局において、事件に誠実に向き合う姿勢が全く見られないために、私たち5名はやむなく、出崎幹根および中野晃一の研究不正に関する「通告書」(8月28日付け)を内容証明郵便として代理人経由で、上智学院佐久間勤理事長と上智大学嘩道佳明学長あてに送付しました。すると、事件の最初の告発から実に4か月以上も経過した9月2日、告発者側は、大学が調査委員会を組織する予定であるとの連絡を電話にて受けました。9月4日には、「上智大学における研究活動上の不正行為に係る調査の手続きに関する内規」の規定に従って、大学から9月3日付けの調査委員名簿が送られてきました。しかし、5名で組織される調査委員のうち、研究者は2名であり、驚くべきことに、その両名ともが、明らかに研究上・運動上、中野の人脈に属する人物でした。私たちは、三度、裏切られたのです。当然、私たちは、詳細な忌避理由を記した異議申立書を提出しました(9月11日)。
その後、9月25日付けで、①「通告書」および「異議申立書」を踏まえ、②調査対象事項を改めて検討すべく、③調査委員を一部交代させたうえで、④予備調査の実施を予定している旨の「ご連絡」が学長からありました。しかし、①「通告書」の発出主体は5名であるにもかかわらず藤岡信勝のみを告発者として位置づけ、②交替する調査委員が誰なのかも明示されず、③予備調査の役割は本調査を実施するかしないかの判断材料を集めるものであるため、本調査を取りやめにする意図と可能性も否定し得ないものです。
私たちは四度裏切られるわけにはいきません。そこで、今度は「公開質問状並びに異議申立書」として、本日付けで文書を発出しました。【追加】10月1日付けで学長宛に発送した文書は次のとおりです。これに対する返信は10月13日現在、まだ届いておりません。ただし、指定した「7日後まで」の時点にあたる10月8日付けで、学長から回答をもう少しのばしてほしいとの文書が届いています。
2019年(令和元年)10月1日
上智大学
学長 嘩道 佳明  殿藤岡 信勝
112-0005東京都文京区水道2丁目6-3
新しい歴史教科書をつくる会気付質問状並びに異議申立書(1)9月27日夕刻、貴信「ご連絡」を落手いたしました。貴信によれば、①「通告書」(8月28日付け)と「異議申立書」(9月11日付け)等を踏まえて、「調査対象事項をあらためて検討」する、②「調査委員会委員について、一部交代する」、とのことで、いずれも、小生の「異議申立書」の主張が認められたものと理解いたしました。
 しかし、その一方、どうしても納得できず再び異議を唱えざるを得ない部分と、十分理解出来ない点や質問させていただきたい点などがございます。そこで、この文書をしたためることといたしました。この文書到着の日から起算して7日以内に誠実なご回答を求めます。(2)貴信の内容は次のような5つの箇条書きにまとめることが出来ます。
①9月11日付けの異議申立書と8月28日付けの通告書等をふまえ
②調査対象事項を改めて検討すべく、予備調査の実施を予定している
③予備調査を行うにあたっては、通告書記載の事情の詳細等についてもお話をうかがいたいのでご協力をお願いしたい
④これに伴い調査委員会委員について、一部交代することとしている
⑤DEZAKI NORMAN M氏及び中野晃一氏より、告発者及び告発内容の開示の要請があったので、「貴殿」[藤岡信勝-引用者注]より告発があったことと、通告書記載の告発内容の概要を両名に通知する
(3)ここからわかる、貴学の新たな方針は次の5点です。
ア)初めて内容証明郵便で送った「通告書」(前便では無視されていたもの)を調査の対象としたこと
イ)「本調査」と言っていたのを「予備調査」に変えたこと
ウ)初めて聞き取りをするとしたこと
エ)被告発者に「中野晃一」が初めて入ったこと(通告書を対象に据えた結果である)
オ)調査委員の一部交代をすることとしていること(中野人脈で固めた人事を撤回した)(4)さてそこで、異議を申し立てなければならない第一は、退任・就任する委員の人数と実名が伏せられている問題です。
 今回の貴信では、交代する人数(当然2人以上であるべきだが)は何人か?、誰が交代して委員をやめるのか?、その代わりに就任した委員は誰か?、が全てブラックボックスになっています。前便では5名の委員の実名が記され、従って当方においても調査が可能で異議を申し立てるにいたったのですが、今回は交代した委員の実名がありません。実名がないから、この交代が本当にこの問題に取り組む貴学の姿勢の改善を意味するのか、それとも事態を糊塗するものなのか、判断のしようがありません。ありていに言えば、中野人脈の人物を代わりに据えることはいくらでもできるからです。ですから、必ず実名を示し、それについて前便と同様、7日間の判断の猶予を与えていただくことを要求します。
 なお、当方には調査を引き延ばす意図は全くありません。すでに告発から2か月半が経ち、この間、不当な映画の上映によって、毎日毎日、私は侮辱され人権を侵害され続けているのですから、一刻も早く調査を熱望する立場にあるのです。そこで、上記の「?」を付けた3つの点につき、必ずお答え願いたい。
(5)第二の異議は、告発者を「藤岡信勝」一人にしぼっていることです。これは極めて不当で、厳重に抗議します。今回、新たに告発内容として位置づけた「通告書」の発信主体は、代理人弁護士ではなく、内容証明郵便の文書のとりまとめと発信業務を弁護士に依頼した、ケント・ギルバート、トニー・マラーノ、藤岡信勝、藤木俊一、山本優美子の被害者5名です。「ご連絡」の文面では、その中から藤岡のみを恣意的に選び出して告発者として出崎・中野両氏に知らせ、他の4名は無視しています。これはまったく認められません。告発者は上記5名であると訂正していただきたい。(6)第三の異議は、貴信には、調査の日時や調査方法などについての具体的な事実が少しも書かれていません。調査方法について、直ちに当方の代理人弁護士を含めた被害者たちとの協議の場を用意していただくことを要求します。
(7)以下は、不明な点についての質問です。
 a)被告発者の2人に、告発者及び告発内容の開示の要請があったので、通知するとしています。「通知」は、「上智大学における研究活動上の不正行為に係る調査の手続きに関する内規」の第何条に基づくものなのですか? 普通、被告発者に対する「通知」は告発者側からのヒアリングの後になされるのが常識と考えられますが、このような措置をとられたのはなぜですか?
b)それならば、当方も貴学より回答を拒否されている事項がありますので、開示願いたいので1点だけ質問します。大学院生出崎幹根の修士課程入学時点は何年何月ですか?
 c)9月3日付けの貴信では、「本調査」を実施する、と書かれていました。ところが、今回の貴信では、予備調査を行い、それに基づいて本調査を行うかどうかを決定する、と読める内容となっています。前回は予備調査を省略し本調査の実施を決めたと解釈できますが、今回、それを変更して予備調査から始めることに変えたのはなぜですか?
 d)第15条(本調査の通知)第11項に「学長は、本調査を実施することを決定したときは、当該事案にか係る研究費等の資金配分機関及び関係省庁に、本調査を行う旨を報告するものとする」とあります。前便貴信では、「本調査」の開始をうたっておりましたので、9月3日時点で、文部科学省に報告はされたのですか?
以上、「?」マークのついた質問について、明確にお答え下さい。(以上)
中野・出崎の研究不正事件と上智大学の対応⑧(最終回)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年10月14日
10月1日文科大臣への報告文書から8 文部科学省への報告 学術は真理を探究するための厳粛な手段であって、人を攻撃するための道具ではありません。そうであるがゆえに、学術には高度の倫理的規範が課されると同時に、その信用が社会的に担保されるのです。今回、研究不正の実行者たち(中野晃一、出崎幹根)がやったことは、人を攻撃するための手段として学術的信用を利用するという、最も悪質なものでした。
ことは、日本の学術共同体全体の信用にかかわる問題です。もし仮に、この研究不正が放免されれば、わが国の学術共同体全体の信用毀損として、日本のアカデミズムは深刻な事態に陥らざるを得ないでしょう。この事件によって、日本の学術研究は危機にさらされているのです。
研究実施者および研究責任者において、研究協力者への攻撃意図が明白であり、権利回復を完全には期待できず、また、研究機関である上智大学の対応も自浄能力に疑いを持たざるを得ないものであるため、本日、やむなく私たちは文部科学大臣に事態を報告することとした次第です。(以上) 10月25日開催の集会に是非お越しください
ニューヨークタイムズは映画「主戦場」 をどう報じたか (19/11/14)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年11月14日
2019年10月9日
なでしこアクション代表 山本優美子
ニューヨークタイムズは映画「主戦場」 をどう報じたか
ニューヨークタイムズに日本支局発の映画「主戦場」の記事が掲載された。インターネット版は2019年9月18日付でタイトル「 戦時中の日本による女性の奴隷化を探求した映画監督が提訴される新しいウィンドウで開きます A Filmmaker Explored Japanʼs Wartime Enslavement of Women. Now Heʼs Being Sued.新しいウィンドウで開きます )」。紙面は9月19日付ニューヨーク版第8面でタイトル「日本による性奴隷化の映画で米国人が提訴される(American Sued Over Film on Sexual Enslavement by Japan)」だ。 ( 記事 日本語訳はこちら新しいウィンドウで開きます  )この記事が出る前の9月3日、私はニューヨークタイムズ日本支局長リッチ素子記者の取材を受けた。写真撮影も依頼されたが写真はお断りした。結局私の発言は記事の中で使われなかったが、記事を書いたリッチ素子記者と直接話し、日本支局スタッフと接することができたのは、ニューヨークタイムズ関係者の考え方を知る上で良い機会であった。■  「主戦場」全米大学上映ツアー開始と同時の記事記事がニューヨーク版紙面となった9月19日は「主戦場」の監督ミキ・デザキ(出崎幹根)氏が「 米国大学上映ツアー新しいウィンドウで開きます 」を開始しした日だ。出崎氏もこの記事を ツイッターで「素晴らしい記事(Great NY Times article)」 新しいウィンドウで開きます と喜んでいる。ツアーは10月11日までのおよそ3週間、米国東海岸の北部バーモント州からジョージア州まで南下し、大陸を横断して西海岸まで、ブラウンやエール、UCLAのような有名大学を15か所回った。 出崎氏のツイッター新しいウィンドウで開きます では各大学での上映会が成功した様子が投稿されている。コネクチカット大学では、反日で有名な歴史学者 アレックス・ダデン教授も参加新しいウィンドウで開きます したとのこと。 UCLAではグレンデールとサンフランシスコで慰安婦像建立に協力した市民団体関係者も参加新しいウィンドウで開きます すると宣伝されていた。
記事と上映ツアー開始が同日とは、偶然とは思えないタイミングの良さだ。日本支局によると日本発の記事であっても、掲載日は本部が決めるので掲載されて初めて日本支局が知るそうだ。全米15もの有名大学を3週間で回る手配の良さにも感心する。出崎氏自身は一年半前に日本で大学院を卒業したばかりの36歳の一日系米国人男性だ。特段影響力のある人物とは思えない。出崎氏と映画を支援する勢力が日本だけでなく米国内にもいるのではないだろうか。■ 慰安婦問題  記者が理解できない三点慰安婦は性奴隷ではないと主張する私は映画「主戦場」でレイシスト(民族差別主義者)扱いされている。これまでも米国訪問の際に「山本優美子レイシスト、ナショナリスト出ていけ」のデモに遭ったり、誹謗中傷のチラシを配布されたりして不愉快な思いを何度もしてきた。今回取材の際、リッチ記者に「またメディアに酷いことを書かれて嫌な思いをすると思うと今日の取材も躊躇した」旨を伝えると、そんなことはないと驚いた様子だった。リッチ記者も日本支局の女性スタッフも非常に感じの良い方たちで、取材は言葉を一つ一つ確認しながら丁寧に進められた。
そんなリッチ記者と話す中で、慰安婦問題についてどう説明しても理解してもらえない点が改めて分かった。慰安婦制度と河野談話と教科書だ。リッチ記者は、慰安婦制度について当時と現在の社会や人権状況が違うということは分かっても「軍用に慰安所があること自体があってはならない。女性への人権侵害」というという考え方だ。記事では1993年の謝罪と表現されている河野談話は、リッチ記者は日本軍の強制性の証拠だという。確かに外務省のホームページの 河野談話の英文新しいウィンドウで開きます 日本語新しいウィンドウで開きます よりも更に酷い印象を与えるものだ。たとえ談話が韓国との政治的妥協であっても、 2014年に日本政府が河野談話を検証新しいウィンドウで開きます しても、 2016年に日本政府代表が国連人権委員会新しいウィンドウで開きます で強制連行、20万人、性奴隷を否定する発言をしても、1993年から四半世紀以上にわたって広められた河野談話は今も強制連行の証明として使われる。海外メディアの慰安婦問題記事では必ずと言っていいほど引用されている。
教科書については、リッチ記者は「米国では奴隷制度を教科書に載せている。なぜ日本では慰安婦について教えないのか」という。慰安婦制度と奴隷制度は全く違うものだし、子供たちに教えるべき重要な歴史は他にたくさんある、と説明しても「歴史の悪い面も子供には隠さず教えるべきだ」と納得できない様子だった。■  ニューヨークタイムズらしい 日本は植民地で残虐行為日本の保守層からは反日的メディアと呼ばれるニューヨークタイムズだが、今回の記事も日本は韓国を植民地にして残虐行為をしたことが前提となっている。記事には「朝鮮半島を植民地として占領した日本」、「慰安婦の処遇を含めて、そこで行った虐待行為」、「国家の名誉を損なうべきではないとして、これまでドイツがホロコーストへの償いを通して行ったような贖罪を避けてきた」とある。残念ながらこれらは海外メディアのお決まりの表現でもある。■ 影響力のある保守主義者が脅し?記事では「出崎が映画の中でインタビューしている保守主義者たちは、日本政府の最高位の層に影響力を持つグループに属している」として、「日本の子供たちの教育のあり方や、どのような芸術作品を鑑賞させるかなどの政策の形成に係っているほか、恐らくは日本の外交政策の主なあり方、特に韓国との間の外交政策についても影響力を持っていることが注目される」とする。あまりにも過大評価だ。我々側には著名なジャーナリストや評論家もいるが、残念ながらこれほどの影響力はない。その「保守主義者たちの感情を逆なでする」ものとして「愛知国際芸術祭は、朝鮮人慰安婦を象徴する像に対するテロの脅しによって中止に追い込まれた」との例を挙げる。その後に出崎氏の言葉「映画に対する提訴は、国家主義者たちが、いかに自らに抵抗する者たちを黙らせようとしているか」、「この映画の最重要テーマは、なぜ彼らが歴史を消したいのか?である」と続く。
慰安婦像展示へのテロの脅しと映画への抗議や提訴が両方とも保守主義者の圧力、という印象を与える書き方だ。日本の保守、国家主義者、は権力を振りかざして暴力的というイメージ。これも海外メディアのお決まりの表現だ。出崎氏は自分がまるで権力者に圧力を受けた被害者のように語っているが、我々が「歴史を消したい」などとは彼の勝手な思い込みだ。我々が訴えたのは出崎氏の詐欺的行為と人権侵害が理由だ。被害者は我々の方である。■  ニューヨークタイムズも認めた 慰安婦20万人証拠なし記事は評価できる点もある。取材の時リッチ記者は、映画では結局「慰安婦20万人」は誰も証明できなかった、と話していた。確かにその通りで、映画では慰安婦の「強制連行、性奴隷、20万」の三点について左派の学者はだらだらと話してはいるが、結局は誰も証明出来ていない。今回の記事ではその点をこのように書いてある。「主流派の専門家たちは、日本軍が力づくで婦女子を誘拐したことを示す直接的証拠がないこと(保守主義者たちは、この点を衝く)についても隠さず打ち明け、慰安婦とされた婦女子の人数の見積りにも大きな開きが存在することについても率直に語った」■  映画は学術研究倫理違反の卒業プロジェクトこの記事をよく読むと大学関係者、研究者であれば気づくことがある。映画はそもそも卒業研究であったこと、その研究対象者が提訴したということ。つまり学術研究倫理に反した行為があった可能性が高いことだ。そして指導教授は教え子の研究協力者に対して配慮している様子が全くないこと、だ。記事で出崎氏は「卒業テーマの研究のためにドキュメンタリー作品の制作を思い立った」とし、原告側は「映画があくまで出崎の卒業テーマ作品であって商業映画ではないことを前提としてインタビューを受けることに同意した」ことを明らかにしている。
また、「映画にも登場する、出崎の指導教官で東京・上智大学で教鞭を取る比較政治学者・中野晃一」は、「原告らは映画の解釈が自分たちにとって完全に気に入るものではなかったので、提訴をするための理由を捜していると思うと述べている」と書いている。学術研究倫理を守る指導教官であれば、教え子の研究協力者に対して配慮を欠いたこのような発言ができるはずはない。日本では文科省の指導で多くの大学で学術研究倫理規定が設けられている。もちろん上智大学にも研究対象者・協力者の人権を擁護する 学術研究倫理規定新しいウィンドウで開きます がある。研究対象者は自分が納得できなければ研究参加協力を撤回できるし、データの破棄を求めることも出来る。米国の大学では研究倫理規定が日本よりずっと厳しいと聞く。研究者は大変な苦労をして倫理規定に則って研究に取り組んでいるのだ。研究倫理に問題のある映像が大学で上映されてよいのだろうか。■  「表現の自由、言論の自由への侵害」へのすり替え出崎氏は、 9月23日付ロシア国際テレビネットワークの記事新しいウィンドウで開きます で「日本の戦時女性奴隷化についての映画『主戦場』に対する差し止め訴訟は、言論の自由、表現の自由への攻撃、議論の口封じ」と語っている。彼にとっては自分の権利だけが大切なようである。我々が止む無く提訴するに至ったのは、彼の卒業研究に協力した我々研究対象者の訴えに出崎氏が聞く耳を持たなかったからだ。詐欺的手法を用いて、学術研究倫理を守らずに制作し、研究対象者の人権を蔑ろにする映画は「表現の自由」でも「言論の自由」でもない。2019年11月14日 なでしこアクションサイトより転載
ローマ教皇への感謝と嘆願の手紙(英文)
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年11月22日
His Holiness, Pope FrancisNovember 20, 2019Your Holiness,It is with profound anticipation that Icontemplate Your Holiness’ upcoming visit to Japan.
The visit of His Holiness Pope John Paul IIto Japan in 1981 made a lasting impression on the hearts and minds of theJapanese people.
I still remember how pleased and grateful we felt when HisHoliness visited Hiroshima and Nagasaki, and met with our Emperor Showa.
1. Photograph of a Japanese boy at a crematorium inspires prayer for peace I welcome Your Holiness’ visit to Japan forreasons that are very special to me.
Last year, on New Year’s Day, an occasion ofgreat significance to the Japanese people, Your Holiness directed RomanCatholics everywhere to circulate a photograph of a young Japanese boy, takenby an American soldier soon after an atomic bomb was dropped on Nagasaki.
The photograph shows a boy standing infront of a crematorium; his younger brother, killed in the bombing, is strappedto his back.
The older boy is trying mightily to stifle his grief, biting hislips so hard he draws blood.
His intrepidness and his brave determination tofulfill his familial duty toward his little brother touched the very souls ofthe Japanese, the citizens of the only nation to fall victim to atomic bombs.
Seventy-four years have elapsed since theatomic bombs were dropped on Japan.
During those yours we have joined together,as a nation, and endeavored to bear up under unspeakable suffering.
We havetranscended the feelings of hostility that led to war, and made every effortpossible toward the achievement of world peace.
The courage of the boy in thephotograph, who stares unflinchingly at the future, resonates with people allover the world who even today grapple with hardship and struggle to overcomeadversity.
As we contemplate this photograph, thepeople of Japan would like to express our appreciation for the compassion andprayer for peace that motivated Your Holiness to recommend its dissemination.
To Your Holiness we offer our most sincere respect and gratitude.
As aneducator, I too embrace Your Holiness’ noble sentiments, and vow to communicatethe message of this photograph to the coming generations.
I am confident thatYour Holiness’ visit to Japan will be remembered as a new, first step on thejourney to world peace.
2. Our trust in Sophia University Among Japan’s universities, SophiaUniversity has a special connection with the Vatican.
Sophia University was established in 1913as a foundation for the cultivation of the Roman Catholic spirit.
The Jochi in its Japanese name ( Jochi Daigaku ) means “divine wisdom.
”The list of this institute of higher learning’s achievements has grown steadilyas it sends countless talented men and women out into Japan and the entireworld, thanks to the strenuous efforts of its faculty and guidance from theVatican.
Thirty-eight years ago His Holiness PopeJohn Paul II expressed a desire to visit Sophia University, perhaps inanticipation of new accomplishments.
A highlight of that visit was a lecturedelivered by His Holiness.
Looking back at the history of SophiaUniversity, I realize that its progress is closely connected with matters ofconcern and interest to the Japanese people.
In 1932 there was an incident involving 60Sophia University students at Yasukuni Jinja, a Shinto shrine that honors thewar dead.
Three of their number refused to pay their respects, stating that theywere exercising their right to freedom of religion.
When university authoritiesconsulted the Ministry of Education, they were told that pilgrimages toYasukuni Shrine are opportunities for the Japanese people to demonstrate theirpatriotism, and that doing so in no way infringes upon freedom of religion.
Infact, the pilgrimages are in keeping with guidelines from the Vaticanconcerning the duties of Roman Catholics to their native lands.
After Japan’s defeat in World War II, GHQ(General Headquarters) of the SCAP (Supreme Commander for the Allied Powers),the forces temporarily occupying Japan, proposed that Yasukuni Shrine be burnedto the ground and replaced by a racetrack.
Even within SCAP there wasdisagreement about this proposal.
General Douglas MacArthur, then the supremecommander, consulted with the Reverend Bruno Bitter, president of SophiaUniversity and representative of the Roman Curia.
Father Bitter told MacArthurhe vehemently opposed the destruction of Yasukuni Shrine because it is theright and duty of citizens everywhere to honor their war dead, adding that thatright belonged equally to the citizens of victorious and defeated nations.
The Japanese people have embraced this incident,which has become one of the reasons for their respect for Sophia University.
When the Vietnam War broke out it wasFather Joseph Pittau, rector of Sophia University, who became well known inJapan for being one of the first to extend a helping hand to refugees.
FatherPittau was subsequently called back to Rome, where he served as rector of theGregorian University.
He had great affection for Japan, to which he returned afterretiring; he entered the Kingdom of Heaven at age 75.
In 1968 campus strife erupted all over theworld.
Japan’s universities, even Sophia University, were no exceptions.
Many universitieswere struggling to resolve disputes.
Sophia University closed for six months.
Theschool’s survival hinged on restoring order on its campus, which wasaccomplished through the use of a combination of decisive tactics; these becameknown as the “Sophia model,” and were emulated by other universities in Japan toresolve similar problems.
3. Plea for directives to Sophia University Throughout itshistory Sophia University has proven itself to be a font of wisdom, andtherefore has earned the respect and affection of the Japanese people.
Unfortunately, a dark cloud is now hanging over this institution, and though itpains me to do so, I feel compelled to describe it to Your Holiness.
Recently it wasdiscovered that a master’s thesis submitted by a graduate student was theproduct of plagiarism.
The student’s thesis was rejected and his degreerescinded.
The head of the Student Center resigned after making aninappropriate statement.
At least one faculty member was discharged fordisciplinary reasons.
These incidents were disclosed publicly in the form ofthe university’s Message from the President.
I must mentionanother, deplorable incident that occurred recently at Sophia University,which, like all universities, must be a center for the quest for truth.
I amone of the victims of that incident.
Three years ago an Americangraduate student under the supervision of Sophia University Professor NakanoKoichi announced his intention to produce a documentary film to satisfy therequirements for a master’s degree.
The graduate student then proceeded torequest interviews with 10 commentators and scholars who support the Japanesegovernment’s stance on a particular issue.
In a letter he wroterequesting an interview, the graduate student promised that since the intent ofhis project was academic research, it would in no way resemble biasedjournalism.
He even stated that as a graduate student, he had a moralobligation to portray those interviewed fairly and respectfully.
The studentadded that the interviews were intended to maintain fairness and neutrality,and that he would be submitting the film to Sophia University as a graduationproject.
Everyone who wasinterviewed respected and trusted Sophia University, rooted as it was in the Catholicspirit.
Everyone who was interviewed believed the promises made by the graduatestudent.
One of them, a female journalist, even went to the trouble of encouragingthe student via email.
But the aforementioned promises thegraduate student made orally and via email were no more than part of anefarious plot intended to convince people whose opinion differs from that ofthe producer (who disdains their opinions) to agree to be interviewed.
Thefinished product bears absolutely no resemblance to academic research; it is aone-sided propaganda film.
Those who disagree with the professor (and graduatestudent) are labeled as villains.
Their remarks are quoted out of context andcensured without their being granted an opportunity for rebuttal, theircharacters are vilified, and they are ridiculed.
This fraudulent film was made in the(false) name of “academic research” and traded on Sophia University’s finereputation.
Moreover, it is now being shown as a commercial film in ordinarycinemas, without the permission of those who were interviewed.
One of thepeople attacked in this film is a woman who graduated from Sophia University.
The film continues to be shown in Japan and abroad as well.
In a free, healthy society, there are manypolitical perspectives.
Any kind of film is permissible as long as it does notviolate public order and morals.
At issue here is not which point of view iscorrect.
In academia there is an ironclad moral rule that prohibits the denigrationof and injury to those who have contributed to a research project.
It is theresearcher’s solemn duty to prevent such eventualities.
The reason why so manypeople willingly make sacrifices of varying degree to assist with researchefforts is their conviction that scholarship energizes societies, encouragesthe improvement of cultures, and does not libel others.
If a professor like the one described abovecommits acts that betray that trust, but in spite of that, is not heldresponsible for those acts, no one will risk cooperating with academic research.
A situation like this signifies the collapse of the foundation upon whichlearning stands.
For that very reason, it is vital to protect the reputationsand human rights of all those who collaborate or cooperate with researchers.
That Sophia University has been the site ofsuch an improper scheme is a great disappointment to earnest faculty members,students, and alumni.
Behind this behavior that excuses trickery areself-righteous notions of the same origin as communism, one of the tenets of whichis that any means may be used to rationalize a political objective, such as thebrutal suppression of religion.
As one of the victims of this swindle and aconcerned Japanese, I appeal to Your Holiness: For the sake of SophiaUniversity, for the Catholic spirit (which signifies the universal truth), andfor the sake of academic research in Japan, I beseech Your Holiness toinvestigate the current state of Sophia University, and instruct its leaders asYour Holiness sees fit.
Please assist in the rehabilitation of the university, sothat it is once again a wholesome institute of learning.
With every good wish to Your Holiness for apeaceful, fruitful journey,FUJIOKA NobukatsuEx-Professor of Education at The Tokyo University
ローマ教皇への感謝と嘆願の手紙
作成者 punish-shusenjo 公開日  2019年11月22日
フランシスコ教皇様2019年11月20日 教皇様の日本への歴史的なご訪問を、深い思いを込めてお迎え申し上げます。 1981年に実現したヨハネ・パウロⅡ世のご来日は日本国民に深い感銘を与えました。教皇様が広島と長崎をご訪問になり、昭和天皇にもお会いになられたことを、私たち日本国民は喜びと感謝の念とともに記憶しております。
1 焼き場に立つ少年の写真に託された平和のメッセージ  私はフランシスコ教皇様のこの度の日本訪問を、特別の思いをもって歓迎します。 昨年、2018年の元日、日本人にとっては新年の特別な日であるその日、教皇様は、長崎の原爆の被災直後に米兵によって撮られた一枚の写真を、カトリック信徒が世界に広めるよう指示されました。 その写真とは、すでに息絶えた幼い弟を背に焼き場に立つひとりの少年の姿でした。悲しみをこらえ、血が出るほどにきつく唇を噛んだこの少年の姿のりりしさ、極限状況の中でも家族としての責任を果たそうとするそのけなげな決意には、戦争による唯一の被爆国民である日本人の魂にふれるものがありました。
 あの原爆投下から既に74年、日本は国を挙げてその苦しみに耐え、かつての敵味方の対立を超えて世界平和を希求して参りました。前を見据える少年の姿には、今も地球上の各地で、困難とたたかい、混迷の時代を乗りきろうとする人々の心とつながるものがあります。 この写真に着目し、写真を広めるよう指示された教皇様の慈しみの心と平和への祈りに私たちは共感し、日本国民として深甚なる敬意と謝意を表します。私も教育者の一人として、教皇様の思いを受けとめ、この写真の意味を若い世代に伝える決意であります。この度の教皇様の御来日は、平和への道の新たな一ページとして記憶されることでありましょう。
2 上智大学への日本国民の信頼  バチカンと日本とを結ぶ特別の位置にある日本の大学に、上智大学があります。 上智大学はカトリック精神を建学の礎として1913年に創立され、伝統と実績を誇る日本でも有数の大学です。「上智」とは神の叡智を意味する言葉です。上智大学はバチカンの指導と多くの教授陣の努力によって着実に実績をあげ、多数の有為な人材を日本と世界に送り出してきました。 そうなることを予見されたからこそ、38年前、ヨハネ・パウロⅡ世は特別に上智大学への訪問を希望され、講話をなさったのでありましょう。 上智大学の歴史を振り返ってみますと、その歩みは、日本国民の関心事とも深く触れあうものがあります。 1932年、60人の上智大学の学生が靖国神社に参拝した折り、二人の学生が信仰の自由を理由に参拝を拒否する出来事がありました。その時、上智大学は文部省に問い合わせた上で、靖国参拝は愛国の心を表すものであり、信仰の自由を侵すものではないとの立場を示し、信仰の自由を守りました。これはのちの「祖国に対する信者のつとめ」というバチカンの指針にも適ったものでした。 日本の敗戦後、日本を一時占領・統治した連合国軍総司令部の中には、靖国神社を焼却し、競馬場とする案がありました。それを巡って総司令部のなかでも賛否両論がおこりました。
 最高司令官のマッカーサー元帥は、上智学院院長で駐日ローマ教皇庁代表のブルーノ・ビッテル神父に意見を求めました。神父は「いかなる国家も、その国家のために殉じた戦士に対して、敬意を払う権利と義務があるといえる。それは、戦勝国か敗戦国かを問わず、平等の真理でなければならない」と述べて、靖国神社を焼却処分する案に猛烈に反対したといわれています。 日本国民に広く信じられているこのエピソードは、上智大学に対する日本国民の信頼の一つの源泉となっております。 ベトナム戦争が始まると、難民の支援を世界にさきがけて実行したのが、当時の上智大学学長ヨゼフ・ピタウ神父でした。ピタウ神父は後にローマに呼び戻され、教育省次官などをお勤めになられたことは、日本でも知られております。神父は日本を愛し、75歳でバチカンを去られたあとは、日本に戻り帰天されました。
 1968年、大学紛争が世界中に吹き荒れました。日本の大学も、そして上智大学もその埒外にはありませんでした。各大学が紛争の解決に困り抜いていた中で、上智大学は半年間大学を封鎖し、紛争を鎮静化させました。これは大学の存亡を懸けた英断であり、「上智方式」と名づけられて、日本における大学紛争解決の先例となりました。
3 上智大学へのご教導のお願い  このように、歴史の節々で叡智を示し、日本国民に敬愛されてきた上智大学ですが、他ならぬその上智大学に、今、暗い影が差していることを、残念ながらお耳にお届けしなければなりません。 最近、大学院生の修士論文の盗作が発覚し、論文合格の撤回と学位の剥奪がおこなわれました。学生センター長は不適切発言で辞任しました。懲戒解雇された教員もいます。これらは学長の「お知らせ」として社会に公表されております。それに加えて、真理探究の府である大学として、あってはならない研究不正が、ごく最近起こりました。私はその被害者の一人です。 3年前、中野晃一教授の指導の下、アメリカからの留学生である上智大学院生が「修士課程の卒業制作としてドキュメンタリー映画をつくる」と称して、日本政府の見解を支持する立場の言論人や学者約十人にインタビューを申し込みました。 その依頼状の中で、大学院生は、これは「学術研究」であるから「偏ったジャーナリズム的なものになることはありません」と約束し、「大学院生として、インタビューさせて頂く方々を、尊敬と公平さをもって紹介する倫理的義務があります」とまで明言していました。インタビューの目的については、「公正性かつ中立性を守りながら」制作し、「卒業プロジェクトとして大学に提出する予定」であると書いていました。
 インタビューを受けた人々は、全員がその大学院生の言葉を信じました。ある著名な女性ジャーナリストは、わざわざその院生にメールを送り、「頑張って下さいね」と優しい励ましの言葉さえかけていたのです。全員が、カトリック精神を建学の礎とした上智大学を尊敬し、信頼していたからです。 しかし、大学院生がメールや口頭で述べた右の様々な言葉は、実は、制作者が敵視する論者たちをインタビューに引き出すための奸計でした。出来上がった映画は学術研究とは似ても似つかぬ、一方的なプロパガンダ映画でした。 その教授・院生と対立する立場の論者は、一方的に悪のレッテルを貼られ、発言を切り取られ、反論の機会を与えられずに批判され、人格を貶められ、嘲笑されました。 このような詐欺映画が、「学術研究」という甘言と、「上智大学」という大学の信用を背景に制作されました。しかも、インタビューを受けた人々に無断で、商業映画として一般の映画館で上映される状況に至りました。この映画で攻撃されている被害者の中には、上智大学の卒業生である女性も含まれています。映画は現在も日本国内のみならず国外でも上映され続けております。 自由な社会では、政治的主張はいろいろあってよいし、どんな映画をつくるのも、公序良俗に反しない限りは許されます。問題はどの政治的主張が正しいかどうかではありません。学術の世界では、研究に協力してくれた人を人格的に貶めたり、傷つけたりしてはならないという厳然たる倫理規範があります。研究者はこれを厳格に守る義務があります。多くの人々が多少の犠牲を払ってでも大学の研究に進んで協力するのは、学問は人を生かし、人類の文化を向上させるものであって、他者をいわれなく中傷するものではない、という信頼があるからです。
 上記の教授のように、この信頼を裏切る行為をし、それでもその責任が問われないとしたら、大学の研究といえども危険すぎて、研究に協力する人など誰一人としていなくなるでしょう。そうした事態は、学問存立の基盤の崩壊を意味します。だから、学問の存続のためにこそ研究協力者の名誉と人権は守られなければならないのです。 上智大学がこのような不当な計略の場になったことは、真面目な教職員や学生、卒業生をいたく悲しませています。こうした詐術というべき計略を是とする行動の背景には、政治的目的の為にはどんな手段も正当化されるという、過酷な宗教弾圧をしてきた共産主義と同根の、独善の思想があります。 教皇様におかれましては、上智大学のために、「普遍の真理」を意味するカトリック精神のために、そして日本の学術研究のために、上智大学の現状を調査され、適切にご教導下さるようお願いいたします。上智大学が清々しい学びの場として甦るよう、ぜひお力をお与え下さい。詐術に遭った一人として、心から懇請する次第です。
公開日  2019年11月22日 作成者 punish-shusenjo カテゴリー 未分類
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