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 沖縄県の石垣市議会(平良秀之議長)は2019年の9月本会議で、8月26日のNHK番組の中で石垣島への陸上自衛隊配備予定地が取り上げられた際、事実と異なる内容が放送されたとして、訂正などを求める抗議決議を与党11、野党8の賛成多数で可決した。
 決議の宛先はNHKと放送倫理・番組向上機構(BPO)。
 番組は「あさイチ」の中の企画。陸自配備予定地が映る場面で約1・6キロ離れた河川を指し「配備予定地周辺は水源地」との発言やテロップが挿入された。その上で同河川について「島の水道水の8割を賄っている」との解説もあった。
 抗議決議案を提案した長山家康氏(自民)は「あたかも自衛隊施設が周辺地域の水質を汚染するとの誤った前提のもとで放送された」と主張。一方、野党の内原英聡氏(ゆがふ)は「報道を弾圧し萎縮させ、市民の自由な言論活動を抑圧することがあってはならない」と反対討論した。
 決議に対し中山義隆市長は「議会の意思を尊重したい」と評価した。中山市長は自身も同じ番組についてNHKに直接抗議していた。すでに抗議についての回答を受けているとし「認識の違いがあった」と説明したが、報道に問題があるとの姿勢は変えなかった。
 NHKの広報担当者は「重く受け止める。内容を精査した上で真摯に対応したい」とした。
 何もしない月曜の朝、時間はゆっくり流れる。NHKの連続テレビ小説「なつぞら」にチャンネルをあわせたが、どうもピンとこない。チャンネルをそのままにしていたら、「あさイチ」で沖縄県・石垣島の特集をやっていた。NHKの元解説委員長と親の七光タレントが2人で旅をする、という趣向だが、これがなんともあざとい「反自衛隊」番組だった。
 石垣島には陸上自衛隊が配備される計画があるが、2人は旅の途中で“偶然”、「配備反対」のノボリを見つけ、車から降りて島民に話しかける。元解説委員長氏は、「島内には自衛隊配備に関して賛否両論いろんな意見がある」と言いながら、VTRに出てくる農民や若者は、なぜか配備反対派か慎重派ばかり。あげくのはてには、配備予定地から離れた清流を映して七光タレントが、「(石垣島の)水道水の8割をまかなっている」とコメントした。自衛隊が配備されれば、水源が汚染される、と25分にもわたってあからさまな印象操作をしたのである。
 実はこの清流、農業用ダムの水源でしかなく、「水道水の8割」は、まったくのフェイクニュースであったことが、石垣市議会の抗議で明るみに出た。NHKは放送から3週間以上もたってから「説明が足りなかった」と釈明したが、言い逃れだ。事実をねじまげてまで自衛隊配備に反対する番組をたれ流すとは、まるで中国の国営放送のようだ。筆者は、「NHKから国民を守る党」が主張するNHKのスクランブル化に必ずしも賛成でないが、こんな番組を見せられては、票を入れようかどうしようか、心が揺れる。

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